研究課題/領域番号 |
16K03674
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研究機関 | 嘉悦大学 |
研究代表者 |
宇佐美 宗勝 嘉悦大学, 経営経済研究所, 客員教授 (10761257)
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研究分担者 |
眞鍋 雅史 嘉悦大学, ビジネス創造学部, 教授 (20537071)
木村 真 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 准教授 (50419959)
宮錦 三樹 中央大学, 経済学部, 助教 (70733517)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 空港選択 / ハブ空港 / 空港間競争 / アクセス / 機会費用 / DUAL AIRPORT POLICY / 旅客流動 / 羽田再国際化 |
研究実績の概要 |
近年のグローバル都市間競争の中で、国際空港が都市競争力の面においても、最も重要な要素となっている。大都市では増大する航空需要に対応するべく複数空港を擁しているが、特に近年北東アジア地域においては国際航空需要が急増しており、新たな新空港建設の動きとともに、従来は国内線専用空港であったものを、国際線にもを運用拡大することにより処理能力を高める傾向が見られており、複数空港の効率的機能運用が重要な課題となっている。 そこで本研究では、申請者が既に整備している2010年度国際空港旅客動態調査のデータベースに、OAG(Official Airline Guide)社が提供するデータを接続することで、個別具体的なネットワークが空港選択に与える影響の定量的評価を試み、更に政策変更やネットワークの改善が空港需要をどう変化させるかについてのシミュレーション分析を行う。平成28年度に2010年の羽田空港発の深夜・早朝時間帯における中長距離国際路線就航を契機とした地方からの国際線旅客流動の変化に関する研究成果が"Airport choice and flight connectivity among domestic and international passengers e Empirical analysis using passenger movement survey data in Japan"として海外ジャーナル(Journal of Air Transport Management)にアクセプトされた実績を踏まえ、平成29年度は首都圏の国際線旅客流動、特に羽田及び成田両空港の選択要因について、特にこれまで議論されてきた空港へのアクセス利便性が旅客の効用であるという視点に立ち、同様の実証分析を実施し論文化した上で、海外ジャーナルへの投稿を行い、現在査読者の指摘を踏まえて、鋭意改訂作業を実施している状況である。なお本研究を通じ、来る2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を前に、首都圏における羽田・成田両空港のあるべき機能の在り方についての議論に資することも目的としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
首都圏在住旅客の国際線利用時の羽田・成田の空港選択要因分析を軽量経済モデル(プロビットモデル)を用いた実証分析の結果を纏め、海外ジャーナルである"Transportation Research Part-A(Policy and Practice)に投稿中であり、査読者とのからの指摘を踏まえたデータベースの再整備や分析、論旨のレビュー等を繰り返しており、作業に時間を要している状況である。これは主に研究代表者の主たる活動場所が海外であるという事情もあり、意見調整作業等を迅速且つ効率的に行える環境ではないことによるところが大きいと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの2件の分析結果を踏まえ、OAG社のデータベースより、旅客の最終目的地までの所要時間、フライト出発時間や週間運航便数等のスケジュール情報、座席供給量、代替経路パターン、運賃等について、調査日時における正確な情報を入手し、接続することで新たなデータベースとして整備する。これにより羽田・成田の空港選択行動の要因分析については、旅客の個人属性や渡航目的、自宅あるいは職場からの両空港までのアクセス時間、距離、利用航空会社等の情報と併せて、従来に比べてより説明変数を用いた精度の高い実証分析が可能となる。研究代表者の主たる活動場所が海外であるという事情もあり、共同研究者との意見調整等に時間を要することは予想されるも、可能であれば、2010年以降の年次の経過による旅客流動及び選択行動の変化にも着目した分析も検討する。この分析を実施できれば、羽田空港の国際線運用が毎年拡大されてきた状況及び首都圏における空港アクセスの整備状況の変化を捉えることが可能となる。なお分析モデルは従来と同様プロビットモデルを想定しているが、データベースの整理と併せ、改めて最適な分析モデルを検討する。 また整備したデータベースにより、国際線旅客の羽田・成田の空港選択行動および国際航空流動シミュレーションへと繋げ、アジア地域を中心としたグローバルな国際航空旅客流動への影響を分析することを通じて、国際空港ネットワークの利用可能性が空港選択に与える影響を定量的に明らかにし、ネットワークが持つ経済的な価値を評価するとともに、今後の北東アジア地域における空港間競争において優位を保ち、国際航空におけるわが国のプレゼンスを維持、向上させるための政策的含意を得ることを目的とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)これまでのデータを用いた研究成果物としての論文のうち、首都圏在住旅客の羽田及び成田空港選択の要因分析に関する研究についての出稿が予定より遅れていること、また研究代表者の主たる研究活動場所が海外であることから、共同研究者との意見調整等に時間を要したことから研究期間を一年間延長している。そのため、次の段階で用いるべく、既存データベースの改良を行うために従来予定年度内に購入を予定していたOAGデータ購入、ならびにそれに合わせて並行して行う予定のファクトファインディングの研究についても、後倒しせざるを得ない状況であったことから、これに伴う諸経費を留保したことによる。 (使用計画)既存データベースの改良、整備のためのOAGデータ購入及びファクトファインディングの研究に伴うヒアリングに必要な旅費、謝金またデータ整理作業に係る人件費等の用途に用いるとともに、成果物を通じたワークショップの開催等も行う予定である。
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