研究課題/領域番号 |
16K03678
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
橋本 貴彦 立命館大学, 経済学部, 准教授 (80510726)
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研究分担者 |
杉田 伸樹 立命館大学, 経済学部, 教授 (60572568)
稲葉 和夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (70117000)
古川 彰 立命館大学, 経済学部, 教授 (80330017)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 商品流通調査 / 地域産業連関表 / 世界産業連関表 / 交換比率 |
研究実績の概要 |
本年度は,地域産業連関表作成に向けた研究と産業連関データを用いた応用研究の二つを実施した。 1.地域産業連関表作成に向けた研究 まず,地域産業連関表作成に向けた研究であるが,二つの作業を進めている。第一に,2017年度の実施予定の滋賀県「商品流通調査」で,海外とのつながり,地域内の産業構造を把握するために滋賀県統計課と打ち合わせを行った。2019年完成予定の2015年産業連関表の推移推計の準備のためである。第二に,2016年度は草津市のサービス業の域外とのつながりを草津市未来研究所とアンケート調査しその特徴を解明した。 2.産業連関データを用いた応用研究 次いで,産業連関データを用いた応用研究であるが,人口減少社会をむかえた日本において,今後,減少していく労働供給と,医療・介護などの増大していく労働需要とのバランスをみるための研究を実施した。2030年時点で約9%の労働不足が予想されるという結果であった(橋本・松尾(2017))。この労働不足を補うための方法の一つとして,輸入増をはかることがあげられる。そこで,過去,1985年以降の日本からみた財の輸入おこなうために必要な輸出財の交換比率について,様々な方法で実証を行った(橋本(2017))。この日本からみた交換比率(日本の輸出財の投下労働÷日本への輸入財の投下労働)が効率改善によって低下していることが期待されるわけである。 発展途上の国を対象にした産業連関表を作成し,特定産業の発展がマクロ経済に及ぼす影響も見ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.地域産業連関表作成に向けた研究 地域産業連関表作成に向けた研究についていえば,地方自治体とサービス業の移輸出にかかわる調査を実施することができた点よりそのように判断した。 2.産業連関データを用いた応用研究 人口減少下の労働需要と労働供給に関する研究成果を公刊できた点などを理由として挙げることができる。
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今後の研究の推進方策 |
1.地域産業連関表作成に向けた研究 地域産業連関表作成に向けた研究についていえば,2017年に実施予定の滋賀県「商品流通調査」について可能な範囲で協力し,滋賀県からの産業別の財の移出・輸出に関する調査結果を活用していく。 2.産業連関データを用いた応用研究 2017年10月に環太平洋産業連関分析学会を立命館大学にて行う。その際に,地域産業連関表の応用研究というセッションを設け,本研究計画のうちの産業連関データを用いた応用研究の知見を深める。2018年3月には同学会主催の国際会議を本学で開催し,応用研究に関する研究交流を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度2016年度に移輸出に関する企業向け調査(サービス業)を草津市未来研究所と共同で行った。申請時点では本科研より費用を支出する予定であったが,草津市未来研究所が調査に加わったため,費用負担の必要が無くなった。そのため,予算執行が当初の予定に比べて進まなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度2017年度に移輸出に関する企業向け調査を製造業を対象に行う予定である。この調査は経済産業省と各都道府県とが共同で行うもので,2017年前期(4月から9月)に実施後,ただちに統計資料の利用申請をする。この利用申請にあたって,本年度は地域産業連関表作成の専門家を招聘し,セミナーを開催する。また,その成果を環太平洋産業連関学会のプレ企画や研究大会のセッションを設け,報告を行う予定である。以上のような研究実施のために予算を執行していく。
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