研究課題/領域番号 |
16K03678
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
橋本 貴彦 立命館大学, 経済学部, 教授 (80510726)
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研究分担者 |
杉田 伸樹 立命館大学, 経済学部, 教授 (60572568)
稲葉 和夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (70117000)
古川 彰 立命館大学, 経済学部, 教授 (80330017)
申 雪梅 立命館大学, 経済学部, 准教授 (00636962)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 分業 / 技術変化 / 中間財貿易 / 投下労働量 / リカード / マルクス / WIOD / 置塩信雄 |
研究実績の概要 |
本研究計画は二つの研究作業を推進する予定であった。第一に,生産の効率性と分業との関係を検討していく作業である。この理論的な整理に関しては,リカードや置塩信雄の先行研究に依拠して,地域内(国内)の分業の進展による効率性の上昇をみていくものであった。この作業を,研究計画の初期の段階でまとめることができた。さらに,生産の効率性と分業との関係には,地域間(国家)の分業に着目したものがある。2018年度には,中谷武の研究に依拠し,国際間の分業について,国ごとで実質賃金率の格差が存在するもとで,特定の技術変化が発生する条件について検討した。1995年から2007年までの世界40ヶ国を対象にしたWorld Input Output Databaseを用いて実証したところ,国内労働や国内の中間財を節約し,海外の中間財を使用する技術変化が世界的に進展していたことを示すことができた(橋本貴彦(2018))。これら成果については,研究チームで共有し,2019年5月の清華大学や早稲田大学の研究チームとの共同で国際シンポジュームで報告を行い,多くの反応を得ている。今年度,研究分他者が実施した研究も多くは,このような分業と効率性に関する研究であり,多くの成果を出すことができた。 第二に,地域産業連関表の作成による分業と効率性の検証である。この作業推進のために,県市単位の産業連関表の作成の担当者や経験のある方を対象にした研究会(2019年2月12日)を開催し,経験交流を行った。現段階の地域産業連関表作成やその活用の研究を交流するために,環太平洋産業連関分析学会主催の国際会議(3rd International Conference on Economic Structures(2019年3月18-19日))を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の進捗であるが,国際分業と生産の効率性に関する検討については,理論的な側面と実証的な側面の両面について研究成果を得ることができた。同時に,国内分業の進展と生産の効率性の進展については,政府統計である一国産業連関表によって理論的かつ実証的に検証することができた。しかし,当初,2018年度の研究計画では,地域産業連関表の作成し,市町村単位での分業の進展について検討する予定であったがこれが未達となってしまった。この原因は,この表の作成のために必須の移出・輸出のデータを2018年前期中に滋賀県から取得する見通しを立てていたが,滋賀県庁統計課との打ち合わせの結果,2019年度後期に延期となったためである。この延期が,進捗が「やや遅れている」とする評価とした主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,滋賀県草津市産業連関表の作成にむけて作業を推進する方向を追及する。そのために,表の作成に必須な移出・輸出のデータを2019年前期中に滋賀県庁統計課から取得する見通し立てていく予定である。 これと同時に,研究計画最終年度であるため,分業と効率性との関係に関する研究成果を,国際会議・国際学会で報告し,関連する研究成果を精緻化していくことも進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,支出を予定していた商品流通調査を活用した地域産業連関表の作成が,統計作成者である滋賀県庁との協議の中で困難となった。そのため,この商品流通調査を用いた産業連関表作成・活用のためのデータ入力についての人件費を執行できなかったのが,2018年度の未使用額が生じた理由である。商品流通調査の利用については,滋賀県庁と現在協議中であるが,2018年度までの研究で得てきた研究成果が生まれてきている。そこで,2019年度は,国際会議での報告を中心に執行を計画していく。
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