本研究の目的は、国内貨物輸送を対象に、都市規模あるいは都市階層の違いが貨物流動、特に輸送距離や輸送費用に与える影響を詳細な貨物流動データから明らかにすることである。実証分析の結果、発着貨物量とその輸送コスト、さらに都市階層・構造に関して、以下の4点が明らかとなった。(1)域間輸送コストは輸送距離や貨物量に対して逓減的である、(2)大都市から中・小都市への域間輸送コスト(いわゆる下り)は、上りの同輸送コストに比べて高い、(3)大都市の域内輸送コストは中・小都市のそれに比べて高い、(4)発地の経済規模が輸送コストに与える影響は、着地のそれに比べて有意で大きいなど、幾つかの仮説検証が達成された。
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