本研究プロジェクトの目的は、外因的な不確実性によって引き起こされる景気変動や金融危機を分析するための基本的な理論モデルを構築し、国際的に自由に資本移動が起こる場合に、金融市場の不完全性は内生的景気変動や金融危機にどのように影響を及ぼすかを分析することにあった。この研究目的のために、借り入れ制約を明示的に導入した動学的一般均衡モデルを構築し、まずは閉鎖経済の分析に絞り、その後、開放経済に分析を拡張していった。構築した理論モデルは様々なケースに拡張できることが分かり、合計8本の研究論文が国際ジャーナルに公刊され、そのうち一本はマクロ経済学分野のトップジャーナルに掲載されたことは大きな成果であった。
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