本研究課題では中国内陸部の四川省を対象に農地流動化に関するヒアリング調査と農家の質問票調査(約600世帯)を行い、農地貸借の決定要因と契約デザインに関する実証分析を実施した。分析の結果、非農業就業日数比率の高さや請負農地面積、世帯主の性別が農地貸出に対して有意な正の効果をもたらすことが明らかとなった。他方、地代水準の決定要因分析では、農地の交通利便性、政策的な流動化要請、村外の経営主体への貸出、書面による契約、農地証書保有が地代水準に有意な正の効果をもたらす一方で、地代の支払時期や支払方法、貸出農地の用途といった要因は地代に対して有意な効果を持たないことが浮き彫りとなった。
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