研究課題/領域番号 |
16K03701
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政・公共経済
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岸田 研作 岡山大学, 社会文化科学研究科, 教授 (30346407)
|
研究分担者 |
谷垣 靜子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (80263143)
|
研究期間 (年度) |
2016-10-21 – 2020-03-31
|
キーワード | 介護離職 |
研究成果の概要 |
『就業構造基本調査』を用いて、介護離職後、労働市場から退出した者の数とその逸失賃金を推計した。それによると、9.9万人の離職者のうち6.4万人が労働市場から退出していた。離職後一年間の逸失賃金は17961億円、二年間では3391億円であった。逸失賃金の内訳を就業率の低下と賃金の低下に要因分解した。就業率の低下は就業再開できなかったことによる就業者数の減少によるものである。それによると、全体では77.7%が就業率の低下、残りは就業再開後の賃金下落によるものであった。賃金下落の割合は前職の雇用形態によって異なり、前職が正規雇用の方が前職正規雇用以外より大きかった。
|
自由記述の分野 |
医療経済学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
介護離職者は毎年10万人にのぼり、大きな社会問題と認識されている。しかし、それによって失われる労働力や経済的損失が社会全体でどれくらいかはこれまでわかっていなかった。それを明らかにしたことが本研究の社会的意義である。このような問題を扱うには、本来は、同一個人を追跡調査するパネル・データが必要である。しかし、介護離職者の標本を含む大規模なパネルデータの構築は、日本の財政状況を踏まえると極めて難しい。それに対し、定期的に調査が行われる横断面データを利用した分析手法を提案したことが、本研究の学術的意義である。
|