研究課題/領域番号 |
16K03702
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
渡邉 聡 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (90344845)
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研究分担者 |
安部 保海 広島大学, 大学経営企画室, 特任助教 (20531932)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 大学の機能別分化 / New Flagship University |
研究実績の概要 |
平成29年度研究実施計画として「これまでの研究成果を基盤として更なる理論展開とモデルの改善を図り,数理モデルの完成を目指す。更には,数理論モデルの妥当性の検証およびアメリカ高等教育機関レベル・データ(IPEDS)を用いた実証分析をおこない,理論的枠組みの設定・組立と分析およびモデルの精緻化」を図り,その中間研究成果として「カリフォルニア大学バークレー校のResearch & Occasional Paper Series(ROPS)への投稿を予定している」としていたとおり,独自の数理モデルに基づきIPEDSデータを用いた研究論文"Changing Missions among Public Universities in California and New York: Application of a Concentration Equality Index"を安部保海氏(分担研究者)と共に纏め上げ,カリフォルニア大学バークレー校のROPSより公刊された。また「平成29年度には米国学会・シンポジウム等での中間成果発表をおこなう」としていたとおり,本研究成果についてカリフォルニア大学バークレー校主催シンポジウム"New Nationalism and Universities: Global Perspectives on Politics and Policy and the Future of Higher Education"において口頭発表をおこなった。更にこれに関連して,各大学が持つ強みを生かした機能・ミッションの拡充による発展を検討した成果が"Envisioning the Asian New Flagship University: Its Past and Vital Future"(Berkeley Public Policy Press)から公刊された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で示したとおり,平成29年度研究実施計画として掲げていた中間目標(中間研究成果の執筆と公刊及び海外学会・シンポジウム等での口頭発表)について,当初目標を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28~30年度の3年計画で実施する本研究課題では,初年度にミクロ(大学および大学関係者)の視点からみた現行システムの課題点と,マクロ(国・地方)レベルにおける機能別分化の構造上の問題点の把握・考察を目的としている。今後は,機能別分化に関する質的理論的分析と数理モデルの拡張を図り,分析結果の解釈と妥当性を検証する。更に,国内外学会・研究会等での発表及び学術雑誌への投稿・掲載により,広く国民・社会への研究成果の情報発信に努める。上述の研究プロセスと分析アプローチを経た本研究の最終目的は,高等教育機関の機能別分化を実現するための適切なファンディング・システムとその明確なメカニズムを提示することにより,わが国における効率的な高等教育システム構築に向けた政策提言に資する成果を提供することにある。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に研究分担者(安部保海氏)の所属先に変更が生じ,日程の都合が合わず海外シンポジウム(於カリフォルニア大学バークレー校)への参加がかなわなかったため,当シンポジウムでは研究代表者(渡邉聡)のみによる口頭発表となった。平成30年度は,最終年度としての研究成果の論文執筆・投稿及び国内外研究会等を予定しているので,適切に支出するよう心がける。
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