研究課題/領域番号 |
16K03704
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
平尾 智隆 愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (30403851)
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研究分担者 |
井川 静恵 帝塚山大学, 経済学部, 准教授 (20461858)
柿澤 寿信 大阪大学, 全学教育推進機構, 特任講師 (70735315)
松繁 寿和 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (50219424)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | スキル・ミスマッチ / 学歴ミスマッチ / 人的資本 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,スキル・ミスマッチ(保有するスキルに見合った仕事をしているか否か)の把握とそれが労働意欲,職務満足に与える影響を計測し,生産性を高める人事管理とキャリア形成のあり方を明らかにすることである。平成28年度の研究実績の概要は次の通りである。 (1)研究分担者である井川静恵氏(帝塚山大学准教授),柿澤寿信氏(大阪大学講師),松繁寿和氏(大阪大学教授)と研究会を開催し,企業内でのスキル・ミスマッチを調査するためある企業で従業員調査を実施した。この企業調査から得られた個票データを整理し,平成29年度以降,学術論文・学会発表等のかたちで成果を発表する準備を進めている。また,この調査は平成29年度以降も実施して,データのパネル化を行う。企業内部におけるスキル・ミスマッチの把握は,日本ではほとんど行われていない。その把握は日本企業の再生において人的資源管理の側面から重要な意味を持つ。その分析のための準備が着実に進んでいる。 (2)並行して労働市場でのスキル・ミスマッチと関係する研究(学歴ミスマッチ,および高等教育の効果)についても分析を進めている。既存データの再分析,発見された自然実験環境を用いた分析を行うなど,一定の研究の進展が見られた。具体的には,学歴ミスマッチによる賃金への負の影響の実証,自然実験環境でのキャリア教育の効果測定,大学教員とのつながりと就職結果の関係などを明らかにし,先駆的な貢献を果たした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗状況については,「おおむね順調に進展している」と判断している。その理由は次の通りである。 (1)研究計画通り,研究分担者である井川静恵氏(帝塚山大学准教授),柿澤寿信氏(大阪大学講師),松繁寿和氏(大阪大学教授)と協力し,企業の従業員調査(第1次調査)を実施した。平成29年度(第2次調査),平成30年度(第3次調査)についても調査を実施する予定である。平成29年度の第2次調査については,すでに第1時調査終了後から実施に向けて協議をはじめており,準備が進んでいる。 (2)自然実験環境の発見などにより,当初の予定以外に,研究課題に関係する分析を進めることができるようになった。そのため,申請した研究課題を補完する研究が実施できる見込みである。 (3)研究開始初年度において,論文(査読付き含む)の公表,学会発表(全国大会)を実施しており,研究成果の発表も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)企業の従業員調査から得られた個票データを用い,スキル・ミスマッチが生産性につながる労働意欲・職務満足に与える影響の分析を進める。 (2)現時点では,得られたデータはクロスセクションデータであるため,その限界を乗り越えるために平成29年度に第2次調査,平成30年度に第3次調査を実施して,データのパネル化をはかる。スキル・ミスマッチは,スキルの向上,担当業務の変更や異動等によってその状態が変化する一時的なものである可能性もあり,その意味で,同一個人を多時点で追うパネルデータによる分析が必要になってくる。 (3)本研究課題を補完する研究を進めるため,データアーカイブや公的統計の個票申請を通じて学歴ミスマッチの研究を進めるとともに,自然実験環境を利用した高等教育の効果に関する研究も進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては,(1)出来うる限り安価な支出にとどめたこと,(2)今年度は,当初予定していたデータセット作成のための人件費・謝金を使用することなく,研究チーム内でその作業を行い,節約できたことが挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度以降,データのパネル化を行うのでデータセットの作成作業が繁雑化することが予想され,そのための費用(人件費・謝金)として使用する予定である。また,次年度以降,研究発表を予定している学会の開催地が研究代表者の居住地より遠方であるため,そのための旅費として使用する予定である。
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