現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) カンボジア現地調査:当初の計画通り2017年9月3日から9月9日までの期間に、プノンペン、シェムリアップ、バッタンバン、パイリンで実施した。現地調査では、カンボジアの中央銀行、金融機関、銀行協会、調査会社、AMROなど国際機関の実務者から聴取・意見交換を行って、国内作業による暫定的な計量分析結果について意見交換を行い、疑問点の解消と今後の分析の改善方法の検討を行った。 (2)分析結果の発表:当初の予定通り、分析結果については2017年度日本金融学会秋季大会と2017年度アジア政経学会秋季大会で報告するとともに、『アジア研究』第64巻第2号とJICA研究所Working Paper No.160に研究論文を発表した(詳細は10.研究発表を参照)。 更に当初は予定していなかったが、第1回アンケート調査結果を発表するため、2017年度アジア政経学会春季大会(一橋大学、6月24日)において国際シンポジウム「カンボジア:ドル化から見える政治・経済の実相」を開催し包括的な討論を行った。また、研究成果を活用してカンボジア、ベトナム、ラオスのドル化の国際比較研究にも参加し、Okuda “Banking and Dollarization: A Comparative Study of Cambodia, Lao PDR, and Vietnam,” が2017年10月に出版されたKoji Kubo ed. Dollarization and De-dollarization in Transitional Economies of Southeast Asia, Cham: Springer International Publishing AGに収録された。 (3) データベースの拡充:当初2016年度上半期に実施を予定されていたNBC-JICA共同調査の第2回アンケートは、2017年上半期に実施された。第2回アンケートの内容は、第1回のアンケートの経験を踏まえて改良が図られており、同時に2時点におけるサンプル収集によって時間的な要素を加味した分析が行えるものとなった。集計作業は平成29年度中にほぼ終了し、平成30年度の第2四半期からは、計量分析への利用が可能になると見込まれている。
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