本研究では、世界各国の長期停滞の可能性を、グローバルなアングルから捉え「国際資金余剰・世界金利・長期停滞」という研究テーマを設定し、多面的な角度から理論的・定量的に考察していく。さらにこうした考察を通じて、新たな政策対応が不可欠となることが明らかにされていく。研究期間を通じて1)世界的資金余剰と長期停滞の関係を実証的に考察、2)1980年代から現在に至る世界経済の潮流の展望、3)グローバルインバランスの1980年代以降展望と考察、という3つの成果を得ることができた。とくに第1の研究より、世界金利の低下傾向(すなわちグローバルな長期停滞)は、主に各国の投資低迷に起因していることが明らかとなった。
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