• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

異種類の金融市場間における動学的依存関係:コピュラを用いた実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03746
研究機関大阪府立大学

研究代表者

立花 実  大阪府立大学, 経済学研究科, 准教授 (70405330)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードコピュラ / 株価 / 為替レート / 避難通貨 / ヘッジ通貨
研究実績の概要

平成28年度は、コピュラを用いて株価と為替レートの関係を分析した。特に、米・英・ユーロ圏の株式に投資している投資家にとっての避難通貨(Safe haven currency)とヘッジ通貨(Hedge currency)の特定を行った。コピュラの手法を通じて、2変数がともに極端に大きな値をとる確率(Tail dependnece)を測定することができるが、これは避難通貨を特定する際に有用である。さらにコピュラは、2変数間の平均的な依存関係を相関係数以外の指標で表すことができるが、これはヘッジ通貨を特定する際に有用である。分析の結果、以下の点が明らかになった。第一に、英・ユーロ圏の株式市場では複数かつ同一のヘッジ通貨が使用されており、特にスイスフランが最も重要な役割を果たしていた。第二に、英国の株式市場には避難通貨が存在しなかったが、ユーロ圏の株式市場においてはいくつかの避難通貨が存在した。この違いが生じた要因としては、ユーロ圏の株式市場の方が英国の株式市場よりもボラティリティーが大きかったことが考えられる。第三に、米国の株式市場では日本円が避難通貨およびヘッジ通貨として共に有力な役割を果たしており、その傾向は2007年に発生したグローバル金融危機以降に見られるようになった。これは米・欧と比べ日本はグローバル金融危機の直接的な影響が比較的小さかったことによると考えられる。以上の研究結果を論文にまとめ、本学経済学研究科のディスカッションペーパーに登録した。また、学術雑誌にも投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度は研究実施計画に沿って、株価と為替レートの関係をコピュラを用いて分析できたため。

今後の研究の推進方策

平成29年度以降は研究実施計画に沿って、為替レートと金利の関係および株価・為替レート・金利の関係をコピュラを用いて分析していく予定である。また、平成28年度に行った株価と為替レートの関係に関する研究もさらに掘り下げていくつもりである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Safe Haven and Hedge Currencies for the US, UK, and Euro Area Stock Markets: A Copula-Based Approach2017

    • 著者名/発表者名
      Minoru Tachibana
    • 雑誌名

      Discussion Paper New Series, School of Economics, Osaka Prefecture University

      巻: No. 2017-1 ページ: 1-37

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi