研究課題/領域番号 |
16K03747
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
後藤 尚久 北九州市立大学, 経済学部, 教授 (20275118)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域金融機関 |
研究実績の概要 |
研究課題は、地域金融機関の利益の質とガバナンス構造との関連性の有無、またその程度を明らかにすることにある。とくに、株式会社ではない信用金庫や信用組合は、地方銀行や第二地方銀行とはその存在意義・目的が会員や組合員の利便性を重視するといった意味で異なっており、また、経営範囲などの制約も厳しい状況にある。それゆえ、経営に関するガバナンスの在り方も異なっていると考えられる。本研究の目的は、もともと規模の小さな地域金融機関である信用金庫や信用組合がどのようなガバナンス構造を保有しており、ガバナンスが経営にどの程度影響しているかを実証的に明らかにすることにある。 研究補助を受けた研究課題について、本年度(H28年度)の計画は、(1)関連研究の文献サーベイ、(2)具体的なリサーチデザインの策定、(3)必要なデータベースの作成であった。 (1)については、日本の地域金融機関の経営に関する図書・論文を15本ほど読み、まとめた。また、海外における金融機関や一般事業会社の利益調整に関する論文とガバナンス構造と利益調整に関する論武運を10本ほどまとめた。(2)については、地域経済を専門とする先生、経済理論を専門とする先生、計量経済学を専門とする先生方に本研究の目的等をお話しし、来年度(H29年度、30年度)の研究計画のめどがついた。(3)については、10月に『日本金融名鑑』の最新版まで購入し、アルバイトを雇用してデータ入力を行った(現在も進行中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記、【研究実績の概要】でも述べたが、データ入力が遅れている。信用金庫や信用組合は機関数が多いうえに、ガバナンスの電子データが存在しないため、すべて手入力になる。そのため、当初の予定では、本年度中にデータベースの作成が終了する予定であったが、現在も進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度は、現在データ入力が終了している年度について単年度で信用金庫、信用組合の経営状況(利益など)とガバナンス構造の関係性を統計的にを実証分析していく予定である。 H30年度には、全期間ので他をそろえ、単年度で得られた結果をもとにして実証分析を実施し、学会等で発表する予定である。 また、H29年度より、大阪大学の福重元嗣先生を共同研究者として参加していただき(申請済み)、より深み胃のある研究にする計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アルバイト謝金の見積もりが甘かったこととアルバイトによるデータ入力が思ったほど進まなかったため、支出が減少したため。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し分は、H29年度のアルバイト謝金に使用する予定である。また、余剰が出た場合には、信用組合の財務データ購入代金に充てる(単年度分16万円程度の見積もり)。
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