現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトの全体目標は、1980年代以降、特に欧米を中心に発展してきた理論的枠組みに基づき、日本企業のリスクマネジメントに関する実態を実証的に検討することにある。具体的には、上場企業を対象に、(1)デリバティブによるリスクヘッジ戦略、(2)保険需要、(3)流動性管理としての現金保有に関する分析を行う。その上で、これら個別のリスクマネジメント手法を統合した概念である(4)全社的リスクマネジメント(ERM)についても、わが国企業の実態把握を含め実証的に検討する。研究初年度は,これらのうち,(1)デリバティブによるリスクヘッジ戦略について本格的に着手し,海外の学会で研究報告を行う機会を得るとともに,論文の改善を進めている(Limpaphayom P., D. Rodgers, and N. Yanase, “Bank Equity Ownership and Corporate Hedging: Evidence from Japan”, Financial Management Association (FMA) International, Las Vegas, Nevada, USA, October 2016)。加えて,(3)流動性管理としての現金保有に関する分析,および,(4)全社的リスクマネジメント(ERM)については,既存研究の調査と整理を行っている段階である。
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