研究課題/領域番号 |
16K03754
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
徳永 俊史 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30329750)
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研究分担者 |
和田 賢治 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (30317325)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 家計の異質性 / アセットプライシング / 家計調査 |
研究実績の概要 |
今年度は、昨年度入手した大規模個人消費データの整理(データベース化)を行った上で、データ分析を行った。具体的には、1981年1月から2015年12月における各家計の属性(所在地、世帯主の職業・年齢、家族構成など)と消費支出(耐久財、半耐久財、非耐久財、サービス)を月次で集計し基本統計量を計算した。その際、次の2点に留意しながら作業を行った。1つ目は、同じデータの処理に関する先行研究(宇南山, 2011)との比較を行った。具体的には、今回入手したデータから先行研究と同じ期間のデータを取り出し、集計後の属性が先行研究と一致するか確認しながら分析を行った。これにより、元データの加工段階でのミスをなくすことで分析データの信頼性を高めることができた。もう1つは、消費データの特徴を米国の先行研究(Constantinides and Ghosh, 2017)との比較を行った。米国のデータは四半期であり、日本のデータは月次であることから、彼らは理論モデルと整合的なデータの特徴を報告しているが、果たして日本のデータはそのような結果が得られるかに注目しながら、結果の比較はもちろん、消費データの加工におけるいくつかのルールについても検討を行った。これら作業については、データベースが設置されている私の研究室において、共同研究者と定期的に意見交換を行いながら進めた。また、必要に応じて、上記先行研究の執筆者にも直接アドバイスをいただきながら作業を進めた。ただし、日米のデータ構造の違いによる分析方法や分析結果への影響は思っていたよりも大きく、モデル推定には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度の遅れ(2か月程度)を取り戻すことができなかったため。また、今年度から開始したデータ分析に先立って行ったデータ属性チェック(約300万件)に予定以上の時間がかかってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
基本統計量の計算まで終えたので、年度前半でモデル推定とその考察を行い、年度後半には研究会などで発表し、年度中に締め切りを迎える学会発表に申し込む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)データ分析が遅れているため学会等での発表ができなかった。 (使用計画)年度後半を中心に学会等へ参加する予定である。
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