研究課題/領域番号 |
16K03754
|
研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
徳永 俊史 武蔵大学, 経済学部, 教授 (30329750)
|
研究分担者 |
和田 賢治 慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (30317325)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 家計の異質性 / アセットプライシング / 家計調査 |
研究実績の概要 |
昨年度認識したモデル推定の困難さについて引き続き検討を行った。その中で、パラメータ推定が配当を記述したモデルに敏感であることを発見した。具体的には、配当成長に対する理論モデルの仮定(定常性)と標本データの特徴(非定常性)のかい離をどのように埋めるのかについて、理論モデルの再構築とデータ処理方法の再検討が主な作業内容となった。調査した範囲で、この問題に取り組んだ先行研究はなく、試行錯誤を繰り返した。この問題は、データの時間集計である程度解決できることも確認した。すなわち、月次を年次データに集計することになるが、本研究の最大の特徴の一つが月次レベルでの家計の消費行動の異質性を検証するところにあるので、時間集計だけでは問題解決とはならない。現時点で完全な解決に至っていないが、モデルの最終型が大規模なため、部分的な検証(モデルを退化させ、比較可能な別モデルと結果を比較)を繰り返しながら、データ特性のモデル推定に対する影響を調査した。これら作業は、共同研究者と定期的に議論を行い、必要に応じて他の研究者に意見を求めながら作業を行った。実績として、簡単な研究ノートは作成したものの、投稿できるレベルに達していない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は学部長職の最終年と重なり、モデル推定に必要なまとまった時間の確保が困難であった。そのため、十分な検証が行えず、論文執筆に必要な結果を得ることができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
昨年度の試行錯誤で問題の解決策がみつかったので、今年度前半で分析結果をとりまとめ、年度後半では共同研究者と手分けして学会や研究会などで精力的に発表する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
国内外での研究発表を予定していたが、研究の進捗の遅れから研究成果がでておらず、これらについては次年度前半には研究成果をまとめ、次年度後半に使用する予定である。
|