研究課題/領域番号 |
16K03758
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
秦 劼 立命館大学, 経済学部, 教授 (40329751)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 感情 / 後悔 / 意思決定 / 資産価格 |
研究実績の概要 |
本年度は、後悔が不確実性下の意思決定に与える影響について研究を実施した。まず、現実の世界で後悔が人々の意思決定にどのような影響を与えるのかについてより詳しく調べた。感情と意思決定に関する研究は、経済学の分野ではまだ蓄積が少ないが、医学と心理学の分野では膨大な実証研究と実験研究が既に行われてきた。そこで、在外研究の受入れ研究機関であるFred Hutchinson Cancer Research Centerで、医療分野と心理学分野の後悔に関する研究資料を収集し、整理分析した。癌治療、エイズ予防、およびワクチン接種などにおいて、後悔が患者、家族、医者などの意思決定に与える影響に焦点を当てて、先行研究が行った実験の結果や後悔の測定方法などをサーベイした。得られた研究成果については、受入れ研究機関のセミナーで報告を行った。 上記の研究調査の結果に踏まえて、前年度までの研究で構築した後悔と証券投資に関する理論研究を発展させた。まず理論モデルの前提についてより詳しく考察した。様々な分野の意思決定における後悔の重要性を示した実証的な根拠を具体的かつ体系的に挙げ、金融市場の分析に後悔を導入する必要性をより明確に提示した。さらに、前年度の研究で構築した後悔と証券投資のモデルを拡張し、後悔が金融市場の「リスクの市場価格」に与える影響を分析した。証券市場でクラッシュなどが起きる場合、投資家の後悔回避度が変化し、「リスクの市場価格」の変動を引き起す可能性を理論的に示した。これらの研究成果をまとめた論文はSSRN Research Paperとして公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
取組む予定の課題をおおむね解決できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、市場と感情の相互影響を分析し、後悔に関する動学モデルを構築する
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は在外研究の受入れ研究機関で研究を行ったため、本研究関連の物品の調達を遅らせた。
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