研究実績の概要 |
Bubble Occurrence and Landing 期限付所有権(lease hold)の土地制度でもバブルが起こるのを発見した。その必要十分条件はバブル・プレミアム(Wan, 2018, International Review of Economics and Finance, vol.56, pp.190-204)と投機である。Wan (2018)に時間をゼロにして利子率がゼロとなり、十分多くの危険中立投資家はバブル・プレミアムで時点内裁定が満たされ均衡が実現される。さらに、時間をプラスにして利子率が正となり、異時点間裁定と時点内裁定が同時に成立する均衡を発見し、バブル予防とランディングに有効策を発見した。これは期限付所有権(lease hold)と無期限所有権(free hold)を持った英国土地制度でも合理的バブルが検出された(Giglio, Stefano, Matteo Maggiori, and Johannes Stroebel 2016, Econometrica, 84(3), pp.1047-1091)ことに対して、初めて解釈を与えた。
Non-performing Loans and Branch Deregulation 銀行支店開設は日米中とも関連規制がある。中国では2009-2014年に地方銀行支店新設は緩和された。一方、四大銀行支店新設は制限されていなかった。よって、この規制緩和は行政が銀行行動に与える影響を検証する準社会実験とみなせる。2007-2017年の1,700超個票パネル推定で規制緩和が銀行業集中度と利益率を減らしたが、緩和による支店と従業員数の上昇が不良債権を増加した。この実証結果を説明する理論として、寡占市場で規制が一時的に緩和されると、銀行は長期利益のため短期の不良債権を参入コストと見なして規模拡大すると考えられる。
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