本研究は第2次世界大戦後の日本の経済復興に関する基礎的研究であり、以下の点を明らかにした。(1)経済復興に当たっては基本的に戦時動員システムに近い統制方式が採用されたが、GHQの独占禁止政策と衝突して、システムの整備には長い期間を要した。(2)物資需給計画では、アジア間貿易が不可欠であったが、米国のアジア復興計画と衝突して、貿易が阻害された。(3)日本の復興構想は、米国のアジア戦略やアジア情勢の流動化によって動揺した。(4)戦時下の配給統制機関は、復興計画に当たっても有効に機能していたが、独占機関であったことから解体された。(5)上記の要因から日本の戦後復興は不必要に長期化した。
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