研究課題/領域番号 |
16K03790
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
渡邉 恵一 駒澤大学, 経済学部, 教授 (00267387)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 鉄道史 / 民営鉄道 / 戦時国有化 / 戦時買収私鉄 / 払下げ運動 |
研究実績の概要 |
本研究の課題は、戦時体制期から戦後復興期にかけての日本の民営鉄道(私鉄)について、新資料の発掘・利用をともなった実証的考察を行い、これまで国有鉄道(国鉄)中心の概説にとどまりがちであったこの時期の鉄道史に、新たな視点を提起することにある。当該期における民営鉄道事業者の行動と論理を丹念に読み解き、より幅広い視野から日本における鉄道業の戦時と戦後をつなぐダイナミズムを明らかにすることを目的としている。 周知の通り、昨年度は新型コロナウイルス(COVID-19)の国内外における感染拡大によって、本研究が依拠する史料所蔵機関の多くが休館あるいは利用制限を行う状況となり、予定していた調査・収集がほぼ困難となった。史料調査・収集の重点対象としている青梅市郷土博物館所蔵の青梅電気鉄道文書についても同様であり、研究の進捗にきわめて大きな影響を受けている。 その一方、研究成果としては、鉄道史学会の機関誌『鉄道史学』第38号に論文(査読付き)「奥多摩電気鉄道の成立と展開」を発表することができた。この論文は、戦時買収私鉄の典型例である奥多摩電気鉄道(現JR東日本・青梅線)について、戦間期の計画段階から戦時国有化に至るまでの過程を再検討し、浅野セメントや日本鋼管といった浅野系企業との関係にも留意しながら、その建設・経営の実態に迫ったものである。この間、調査・収集を進めてきた一次史料が縦横に用いられており、本補助事業の中心的成果の一つである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述したように、昨年度は新型コロナウイルス(COVID-19)の国内外における感染拡大によって、本研究が依拠する史料所蔵機関の多くが休館あるいは利用制限を行う状況となり、予定していた調査・収集がほぼ困難となった。感染拡大の「第2波」と「第3波」の間に若干の資料調査が叶ったものの、計画していた研究を期間内に完了することが難しくなったため、補助事業期間の再延長を申請し、2021年3月19日付で承認を得た。
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今後の研究の推進方策 |
補助事業期間再延長の理由となった新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は、本報告書を記入している時点でも収束しておらず、研究推進を取り巻く状況は必ずしも改善をみせていない。新たに史料を調査・収集する機会は限られるであろうが、学術雑誌への論文投稿など、可能な限りの努力を注ぎたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は新型コロナウイルス(COVID-19)の国内外における感染拡大によって、本研究が依拠する史料所蔵機関の多くが休館あるいは利用制限を行う状況となり、予定していた調査・収集がほぼ困難となった。補助事業期間再延長の理由となった新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は、本報告書を記入している時点でも収束しておらず、新たに史料を調査・収集する機会は限られるであろうが、学術雑誌への論文投稿など、可能な限りの努力を注ぎたい。
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