研究課題/領域番号 |
16K03791
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
|
研究機関 | 東北大学 (2019-2022) 帝京大学 (2016-2018) |
研究代表者 |
鈴木 俊夫 東北大学, 経済学研究科, 名誉教授 (00139982)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | リーマン金融恐慌 / リーマン・ブラザーズ社 / 投資銀行 / マーチャント・バンク / ユニバーサル・バンク / 金融機関の救済 |
研究成果の概要 |
本研究は,2008年に発生した米国の巨大投資銀行であるリーマン・ブラザーズ社(Lehman Brothers)の経営破綻およびその救済問題を,投資銀行の発達史の観点から英国と比較した。具体的には,創設からのリーマン・ブラザーズ社の歴史,20世紀末の投資銀行のビジネス・モデルの変容,その救済過程をめぐる問題を検討した。その際,米国独自の業態となる投資銀行のもつ特殊性も考慮に入れた。さらに米系の投資銀行と商業銀行,欧州系のユニバーサル・バンクやマーチャント・バンクと営業政策を比較し,その差異を明らかにした。金融システムを安定させるために必要なマクロ・プルーデンスの設計の問題も考察した。
|
自由記述の分野 |
金融史
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代の投資銀行が直面する問題に関して金融政策の立案に有益な示唆を与える。欧米の多様な金融業を比較した。代表的な金融業となるのが米国における投資銀行,イギリスにおけるマーチャント・バンク,ドイツやフランスにおけるユニバーサル・バンクである。また,預金にもとづいて営業する預金銀行も存在する。リーマン・ブラザーズ社は不幸にして2008年に経営破綻したが,救済過程をめぐる対応の違いを歴史的に検証した。グラス・スティーガル法やヴォルカー・ルールの制定,ヴィッカーズ委員会の設置のような金融規制策も検討した。これらは今後発生する金融危機や銀行業の破綻に関する有益な示唆を与えるものとなる。
|