研究課題/領域番号 |
16K03792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済史
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大豆生田 稔 東洋大学, 文学部, 教授 (20175251)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 経済史 / 日本史 / 戦前 / 外米 / 食糧 / 主食 / 貿易 / 生活 |
研究成果の概要 |
戦前日本では、主食=米の消費が増加し、植民地米の移入では不足を補填できず、東南アジア(仏領インドシナ・ビルマ・タイ)からの「外米」輸入が不可欠となった。その実態や諸条件について実証的に検討した。 明治中期から米が不足し始め、政府の定期市場への介入、直接的な輸入・払下げ等により輸入が急増した。また米騒動前後には、産地側の供給条件の動揺(大戦や凶作等)に対し、現地駐在の外交官や外務省・農商務省は輸入実現のため多面的な交渉を展開し、民間の外米輸入をも促進する。しかし戦時には、戦局悪化による輸入条件の喪失が最終的な不足補填策を奪い、深刻な危機を招く結果となった。
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自由記述の分野 |
近現代日本の経済史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
19世紀末頃から主食・米が不足するようになり、凶作時には東南アジア産の「外米」に依存するようになった。米不足による国内米価の高騰が、外米輸入を促進して需給が調整されるという補填構造は、貿易の機能により支えられた。政府による、国内の取引制度や、外米産地の輸出制限等への政策的対応は民間の輸入を促進し、不足時には速やかに、大量の輸入を実現した。しかし、輸入条件が喪失すると、戦争末期のように外米供給は途絶し、最終的に外米に依存した主食供給は破綻した。戦前日本の主食の対外依存は、外米の円滑な輸入を前提としていた。
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