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2018 年度 実績報告書

近世~近代における尾道・橋本家の研究―瀬戸内有力資産家と地域経済―

研究課題

研究課題/領域番号 16K03796
研究機関神奈川大学

研究代表者

田島 佳也  神奈川大学, 公私立大学の部局等, 名誉教授 (40201610)

研究分担者 坂根 嘉弘  広島修道大学, 商学部, 教授 (00183046)
落合 功  青山学院大学, 経済学部, 教授 (10309619)
松村 敏  神奈川大学, 経済学部, 教授 (60173879)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード地方資産家 / 名望家 / 塩田経営 / 銀行経営
研究実績の概要

2018年度は、17年度までに引き続き、研究メンバーの合同で、広島県立文書館所蔵の橋本家文書の調査とデジカメ撮影を行い、他の資料とあわせて、各自が分析を行った。同文書館での調査の際、研究メンバーで成果を報告し、討論を行う研究会を開催した。分担者の松村が近代初頭から1930年代までの同家本分家の再興、資産管理のあり方、資産・収支構造の推移を分析した論文を発表し、今後の課題を議論・検討した。坂根は、第六十六国立銀行・芸備銀行の経営と、尾道を中心とした資産家と銀行について、落合は、橋本家の近世の塩田労働者と、中小企業金融について、分析・報告した。
また、尾道市立図書館等、各図書館・史料館および橋本家所有塩田跡地等で史料調査・現地調査を行った。
分析の結果を例示すると、従来、橋本家は近代になると、企業家として活動したという理解であったが、明治前期に第六十六国立銀行を設立して頭取になったのは、天保期に広島藩の要請のもとで、尾道湊で活動する諸商人らへの必要資金の融資を目的とした諸品会所などを継承するものとして、いわば「社会の公器」としての金融機関の設立を他の有力尾道商人と協調的に設立したものと理解すべきとの見解に達した。すなわち直接的な利殖目的・資産増殖目的というよりも、地域経済への配慮によるものであり、それはひいては、地域において伝統を誇る自家の地位・立場を維持することにつながるためでもあった。
尾道は前近代から陸海の交通の要所として諸商人が活動し、製造業はそれほど興隆しなかったが、このような名望家的資産家の活動が商業を中心とする地域経済を支える重要な役割を果たしていたと考えられる。

備考

研究論文のオープンアクセスページ

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 近代日本における名望家的地方資産家の存在形態―広島県尾道・橋本家の事例―2018

    • 著者名/発表者名
      松村 敏
    • 雑誌名

      『商経論叢』(神奈川大学経済学会)

      巻: 53-4 ページ: 109-147

    • オープンアクセス
  • [備考] 近代日本における名望家的地方資産家の存在形態

    • URL

      https://kanagawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=12125&item_no=1&page_id=13&block_id=21

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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