研究実績の概要 |
最終年度においては各自が前年度までの自身の研究を総括し、台湾製糖業の各社や台湾拓殖会社の経営史像に迫るするような作業を進めた。 研究代表者の湊照宏は、2018年7月~8月に米国MITで開催されたWorld Economic History Congress 2018において、「Price Fluctuations of Japanese Foreign Currency Bonds in the New York Stock Exchange during the 1930s」と題する報告を行った。このほか、戦時における台湾拓殖会社の直営事業と子会社に関する分析を国際シンポジウムで発表し、論文にまとめた。 研究分担者の齊藤直は、(1)戦間期における台湾製糖業の企業金融について分析を行うとともに、(2)戦時期における台湾拓殖と資本市場の関係について、社債発行をめぐる同社と銀行、政府との交渉過程に関する分析を進めた。(1)については、2018年12月に成果を学会(経営史学会北海道ワークショップ)で報告したうえで、2本の論文(研究成果の欄を参照のこと)にまとめ、(2)については、台湾拓殖会社の第1回社債発行の交渉過程を検証した論文を完成させた(現在、投稿準備中)。 研究分担者の谷ヶ城は,上記World Economic History Congress 2018のセッションCrossroads of Grobalization : Market-Making in Modern East AsiaでLungpao Tsai , “The Construction of Transportation Network in Taiwan and Market Rearrangement during Japanese-ruled Period (1895-1936)” とJinseok Oh & Howard Kahm, “Seeing the Light: Structure and Development of the Electricity Industry in Colonial Korea”のDiscussantを担当した。他方で台湾拓殖会社の増資に際して台湾総督府が現物出資した斫伐事業に関する資料を収集し、データを整理した。
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