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2018 年度 実施状況報告書

イギリス帝国におけるスコットランド人の役割:グラスゴー西インド協会を事例として

研究課題

研究課題/領域番号 16K03798
研究機関関西大学

研究代表者

熊谷 幸久  関西大学, 経済学部, 准教授 (20570253)

研究期間 (年度) 2016-10-21 – 2020-03-31
キーワードスコットランド / 西インド貿易 / 砂糖貿易 / グラスゴー
研究実績の概要

3年目にあたる2018年度は、19世紀前半のイギリスにおける西インド産と東インド産の砂糖に対する関税の均等化問題に焦点を当てながら、グラスゴー西インド協会に代表されるスコットランドの西インド貿易商及びプランテーション経営者がイギリスの通商・帝国政策に与えた影響に関する研究を継続した。そして、9月には大英図書館などにおいて同問題に関する史料の調査と収集を実施し、帰国後にそれらの整理と分析をおこなった。
また、2018年9月に出版された『1789年 自由を求める時代』の分担執筆者として、「四章 スコットランドにおける自由貿易運動」の執筆を担当した。この章において、当時のグラスゴーの西インド貿易商及びプランテーション経営者の動向に触れている。さらに、昨年度までの研究によって、グラスゴーの商工業者コミュニティー内部における西インド貿易商及びプランテーション経営者と東インド貿易商の利害の乖離と対立を、当時のグラスゴーを代表する東インド貿易商であったカークマン・フィンリイの動向を事例としながら明らかにしたが、その成果も内容に反映することができた。
その他にも、西インド貿易やプランテーション経営に深くかかわったロンドン貿易商の一族であるボディントン家に関する専門書の書評を執筆する際に、本研究を進めていく中で蓄積した西インド貿易に関する知識をその執筆に役立てることができた。この書評は、2019年3月公刊の『経営史学』第53巻4号に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2016年度に本研究課題が追加で採択されたことにより研究開始が半年遅れたことや、所属大学において2016年秋から2018年秋にかけて学部執行部の役職へ就任したことにともなう校務で多忙になったことが、研究の遅れにつながった。

今後の研究の推進方策

補助事業期間の延長が承認されたことから、最終年度にあたる2019年度においては、これまでの西インド産と東インド産の砂糖に対する関税の均等化問題についての調査を継続する。特に、本研究において未だ明らかに出来ていないグラスゴーの商工業者と政府・議会関係者との交渉の過程に関して、史料の収集と分析をおこなう。そして、これまでの研究成果を論文としてまとめる。

次年度使用額が生じた理由

2016年度に本研究が追加で採択されたことによる研究開始の遅れと、2016年秋から2018年秋にかけて校務が増えて多忙になったことが原因で研究が遅延し、研究費の次年度への繰越しが生じた
2019年度は、西インド産と東インド産の砂糖関税の均一化に関する研究を進める上で必要な関連書籍の購入と英国新聞データベースへのアクセス料に助成金を充当する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 書評 川分圭子著『ボディントン家とイギリス近代―ロンドン貿易商 1580-1941』2019

    • 著者名/発表者名
      熊谷幸久
    • 雑誌名

      経営史学

      巻: 53巻4号 ページ: 52-54頁

  • [図書] 1789年 自由を求める時代2018

    • 著者名/発表者名
      島田 竜登編
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      山川出版社
    • ISBN
      978-4634445086

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公開日: 2019-12-27  

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