研究課題/領域番号 |
16K03831
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
清水 一 大阪経済大学, 情報社会学部, 准教授 (50368841)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / 経営者交代 / 取締役会 / 企業価値 |
研究実績の概要 |
28年度は,当初は主に,経営者や取締役会の属性と企業価値・業績の関係について研究を進める予定であった。しかし,28年8月まで滞在中であったワイカト大学所属の研究協力者であるsenior lecturerのKrishna Reddy 氏がサバティカルに入ったため,順序を入れ替え,先に経営者の交代が業績に与える影響について研究することにした。この研究では,交代する経営者の退任後の地位に注目して研究を行った。経営者の退任後の地位を,完全にリタイアする群,取締役会にはとどまるものの代表権は保持しない群,代表権を維持する群に分け,交代直前の業績と交代前後の業績の差を分析した。その結果,交代直前の業績はリタイア群,代表権のない群,代表権を維持する群の順に高い傾向が見られた。一方,交代前後の業績の差は,どの群でも差が見られなかった。この結果は,経営者は企業業績にあまり影響を与えていないのではないかという見方を示唆すると考えられる。 また,従来の経営者交代の研究では,前任社長の交代後の地位によって,その経営者交代が強制的か,自発的かを分類することが多い。しかし,本研究の結果は,前任経営者がリタイアするか,取締役会にとどまるものの代表権を保持しないか,代表権を維持するかは,業績とはあまり関係がないことを示唆する。そのため,経営者の交代後の地位を,交代が強制的か自発的かを分類する指標とするのは問題があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究協力者Krishna Reddy senior lecturer氏がサバティカルに入ったため,当初の研究計画とは,研究を実施する順序が入れ替わっており,若干の遅れがあるため。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている経営者交代の研究に関して早急に取りまとめを行い,もう一つのテーマである,取締役会の属性と企業価値の関係に関する研究に取り掛かりたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
データベースの購入を一部次年度以降に行うことにしたため。また,訪問予定であったワイカト大学所属の研究協力者Krishna Reddy senior lecturer氏がサバティカルに入ったためニュージーランドへの訪問を中止したため。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降に,データベースの購入,ニュージーランド訪問を行う予定である。
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