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2017 年度 実施状況報告書

職場環境改善の効果と改善活動継続の規定因に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03846
研究機関東北大学

研究代表者

高橋 修  東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (10509409)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード職場環境改善 / 従業員参加型 / 活動支援者 / 活動プログラム / 支援ツール
研究実績の概要

本研究の目的は、第1に、職場環境改善においていかなる介入策(インプット)がいかなるストレス指標(アウトカム)の改善に影響するかを明らかにすることである。第2に、改善活動を継続するための規定因を明らかにすることである。
第1の目的に照らして、平成28~29年度は先行研究のレビューを行った。具体的には、3本の系統的レビュー論文に掲載された63本の論文について精査した。その結果、(1)改善効果が認められた研究では、従業員参加型の比率が有意に高かった。また、(2)従業員参加型かつ活動支援者が存在する「職場活性化策」および「評価・報酬策」という介入策は、メンタルヘルスの改善に効果があることが示唆された。
第2の目的については、上記レビュー結果も踏まえて、(1)改善活動を活性化し継続させる役割の活動支援者(職場環境改善ファシリテーター)の存在、(2)活動参加当事者が改善活動を継続しやすい活動プログラムと支援ツール、の2点に着目した。
そして平成28年度は、ケーススダディを通して、活動支援者(職場環境改善ファシリテーター)の職務と能力要件を抽出した。
続く平成29年度には、それらを実証するために、3つの研究フィールド(3つの職場)において、活動支援者を伴う6か月間の改善活動を実施した。 その結果、第1回職場ミーティング(介入策の立案)→2か月ごとのフォローアップミーティング(活動状況の確認)→第2回職場ミーティング(介入策の評価と改善)という活動プログラムを確立した。また、それぞれのミーティングで使用するワークシートを開発するに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究目的1については、先行研究レビューによって上述したとおりの一定の知見が得られたため。
また研究目的2については、3つの研究フィールドにおいて実証研究を行うことができ、活動プログラムおよびワークシートの開発にまで至ったため。

今後の研究の推進方策

研究目的1については、職場環境改善の効果は必ずしも研究結果が一貫しているわけではない。先行研究63本のレビューでも、改善効果が得られたものは55.6%と約半数であった。この原因として、介入策(インプット)とストレス指標(アウトカム)の間に介在する状況や文脈(プロセス)などが異なるための推察される。そこで今後は、どのような状況や文脈であれば改善効果が得られるのか、あるいは改善効果が出ないのかを究明することを目指す。
研究目的2については、昨年度までに開発した活動プログラムおよびワークシートについて、研究フィールドにおいてさらなる検証を実施する。

次年度使用額が生じた理由

当初計画では、東京、大阪、広島を予定していた3つの研究フィールドが、平成29年度はいずれも東京であった等のために、旅費の執行が少なくなった。
平成30年度は、(1)東京以外の研究フィールドの開拓に努める、(2)研究テーマに関連する学会や研究会への参加頻度をより高める、などして旅費を適切に執行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 改善効果が得られる職場環境改善の介入策に関する考察 ―系統的レビュー論文の精査を通して―2017

    • 著者名/発表者名
      高橋 修
    • 学会等名
      人材育成学会
  • [学会発表] ストレスチェックを活用した職場環境改善2017

    • 著者名/発表者名
      高橋 修
    • 学会等名
      NEC職場環境改善研究会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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