研究実績の概要 |
(i)から(iii)の3つの研究活動を行った。 (i)は昨年度から引き続きの活動となる。まず特許データセットのアップデートを行った。特許データは随時出願されるものであり、定期的なアップデートが必要である。アップデートに合わせてデータセットの整合性を図るために時間を費やした。これらは米国特許のデータセットに対して行った。特許データを対象に統計的な手法を用いて学術論文を出版した(中西・立本,2018)。また特許データだけでなく意匠権も同じ枠組みで扱うことができるため、デザインマネジメントについて実証研究を行い、学術論文として出版した(原・平坂・立本, 2019)。 (ii)については、データを用いたプラットフォーム戦略が近年台頭してきており、この理論的な整理が必要となっている。また、日本企業がどれぐらいデータ資源を保有しているのか、といった知見も必要となってきている。また、IoT/ビックデータ/AIといった要素も、データをつかったビジネスモデルには深く関係している。これらの知見について、理論的な整理と事例研究を行い、学術論文として出版した(立本, 2019; 平井・二又・立本・渡部, 2019)。 (iii)については研究シンポジウム等で書籍内容を平易に解説した。プラットフォーム戦略研究の分野は内容の専門性が高く、周辺分野の学術研究者にとっても敷居が高い。しかしなかがら分野横断的に本分野を研究する学術的意義・実務的意義は高く、プラットフォーム戦略研究を平易に紹介する意義は大きい。その点を考慮し、書籍内容を出発点として後続研究が活性化するように努めた。これらの活動によって、2017年に出版した書籍(立本, 2017)は、学会賞・財団賞を3件を受賞した。
|