研究課題/領域番号 |
16K03855
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
藤原 雅俊 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 准教授 (20411019)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 経営戦略論 / ビジネスモデル |
研究実績の概要 |
2019年度においては、1)インクジェットプリンタ業界における消耗品ビジネスモデルの動態的変化に関する市場調査の継続実施、2)他業界におけるビジネスモデルの動態的展開に関する探索的調査およびその学会発表、3)研究書籍の出版、という3点について遂行した。 第一のインクジェットプリンタ業界における市場調査に関しては、プリンタ本体と消耗品カートリッジの価格調査を継続して行ない、データベースの構築・更新を行なった。同時に、近年市場で普及しつつあるビッグタンクモデルに関する調査も進め、その販売動向を確認した。 第二の他業界に関する探索的調査に関しては、ソフトウェア業界においてアジャイル開発を推進する企業への調査を進め、開発スタイルの変化がビジネスモデルの変革を伴うことを確認した。その上で、アジャイル開発の姿やビジネスモデル転換の難しさなどについて世界的な研究大会であるSASE(SOCIETY FOR THE ADVANCEMENT OF SOCIO-ECONOMICS)において研究発表を行ない、学会参加研究者から貴重なフィードバックを得た。また、AIベンチャー企業への取材調査も行ない、ビジネスモデル研究の対象業界を拡大させるための活動を進めた。 第三の書籍の出版については、藤原雅俊・青島矢一(2019)『イノベーションの長期メカニズム:逆浸透膜の技術開発史』を東洋経済新報社から出版した。当該書籍は第60回エコノミスト賞を受賞することができ、その研究成果について高い評価を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究活動が概ね順調に進展していると考えるのは、以下の3つの理由による。 第一に、2019年度には研究書籍(藤原雅俊・青島矢一(2019)『イノベーションの長期メカニズム:逆浸透膜の技術開発史』東洋経済新報社)を発表することができたからである。 第二に、インクジェットプリンタに関するデータベース構築が順調に進んでいるからである。 そして第三に、他業界に関する取材調査を広く進めることができ、さらに研究発表を通じたフィードバックも得ることができたからである。
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今後の研究の推進方策 |
研究活動が概ね順調に進展しているため、今後の推進方策は、基本路線を継続して前進させることとしている。 第一に、インクジェットプリンタ業界の継続調査については、各社から投入されている最新モデルを追跡調査することによってデータベースのさらなる更新を行なっていく。 第二に、他業界への取材調査を進めるとともに、取材対象業界もさらに広げる予定である。すでに研究協力を得ている他業界関係者を得ることができている状態にある。 そして第三に、研究発表の機会を幅広く獲得していく。具体的には、取材調査から得られる知見を多様な媒体に対して原稿として発表することを予定している。
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