研究課題/領域番号 |
16K03855
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
藤原 雅俊 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 教授 (20411019)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ビジネスモデル / 収益モデル / 経営戦略論 / イノベーション |
研究実績の概要 |
研究課題である収益モデルのダイナミクスに関する知見をさらに深めるべく、2021年度においては、主に以下の3点に関する研究を実施した。 1)事例調査の実施:できる限り多様な企業からの学びを進め、収益モデルに関する様々な考え方や変遷をたどるべく、老舗中堅企業である木村鋳造所の事業展開に関する事例調査を行うとともに、スタートアップ企業であるSpiberの成長プロセスに関する事例調査を実施した。 2)起業家の動向に関する調査の実施:収益モデル設計の重要性はスタートアップ企業にとって一層際立つものとなるであろうという見立てのもと、様々な起業家への取材を行なった。具体的には、ABEJA(岡田陽介氏)、NearMe(髙原幸一郎氏)、そしてBeyond Next Ventures(伊藤毅氏)、Retty(武田和也氏)の創業者への取材を行ない、それぞれの起業背景や事業展開に関する知見を深めた。 3)起業家動向に関する分析の実施:上で記したように、十分な資源に必ずしも恵まれるわけではないスタートアップ企業にとって、いち早い収益化は非常に重要な経営課題となるはずである。そこで、スタートアップを起業する創業者が一体どのような考え方でどのように事業を展開しようとしてきたのかを分析することにより、収益モデルのダイナミクスに関する知見を深めることができると考え、これまで実施してきた取材内容を振り返り、その特徴に関する分析を進めた。 以上が2021年度に実施した研究活動とその実績である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
収益モデルの観察が色濃くできそうなスタートアップ企業への取材調査をかなり順調に進めることができた。ただその一方で、コロナ禍に伴う大学の活動制限指示により出張調査機会を十分に得ることができなかった。そのため、2021年度の進捗状況が計画を上回ったとは言えないが、しかし概ね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、スタートアップ企業を中心とする各社への取材調査を重ねつつ、収益モデルのダイナミクスに関する知見をまとめるために多くの研究者との研究交流を重ねていく予定である。研究を円滑に遂行する上での課題は、コロナ禍にある中で研究活動がどのように制限されてしまうのかにある。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、コロナ禍によって活動制限が生じたからである。2022年度は出張調査を実施し、使用を進める計画である。
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