研究課題
基盤研究(C)
本研究課題においては、各種のビジネスモデルの中でも特に消耗品収益モデルの設計が引き起こす動態的なメカニズムを明らかにすることに焦点を定め、事務機器業界など多様な業界に関する定性的な分析を行なった。研究期間における一連の定性分析の成果として、消耗品による利益獲得を目指す企業と、それに対して非純正品による事業展開を狙う事業者、そしてユーザーという三者間の相互作用を通じた動体的なメカニズムを解明した。
経営戦略論
多くの日本企業にとって利益率の向上は喫緊の重要課題となっている。その一つの有力策として消耗品収益モデルがしばしば推奨されるが、そのビジネスモデルを効果的に展開するには、その利点と欠点とを深く理解しておくことが望ましい。その点において本研究成果から得られる示唆は、社会的な意義を伴う。と同時に、当該メカニズムの解明は従来のビジネスモデル研究領域における理論的理解を深めるという点において、学術的な意義も伴う。