研究課題/領域番号 |
16K03857
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
馬 駿 富山大学, 学術研究部社会科学系, 教授 (00303206)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ミドルマネジャー / 戦略的策定能力 / 戦略的実行能力 / 国際競争力 / 人的資源管理 |
研究実績の概要 |
令和元年度では、日本企業4社に対して聞き取り調査を行った。前年度ですでに聞き取り調査を行った3社の結果をあわせて、現在その調査結果をまとめ、論文を作成しているところである。この論文は、日本企業のミドルマネジャーが身に付けた能力、また必要と思われている能力と経営者が求めている能力の間のギャップについて分析し、経営環境の不確実性が高い場合、高いパフォーマンスを獲得するためには、ミドルマネジャーの業務管理機能や集団維持機能と比べて、戦略策定・実行機能のほうがより重要となるという仮説を検証しようとするものである。 そして入手した「日本ミドルマネジャー意識調査」のデータを用いて、ミドルマネジャーの役割と意識に関するデータ分析を行った論文を完成し、現在修正中である。年内ジャーナルに投稿する予定である。これまでの調査では、他国の企業と日本企業のミドルマネジャーの業務管理能力や集団維持能力、製品市場に関する情報に対する認知能力、自社の競争戦略に対する策定能力、そして競争戦略を徹底的に実行して組織パフォーマンスを作り出す能力といったような戦略策定・実行能力について比較するところに重点を置いて実施してきた。 またこのテーマに関連する日本企業の外国人人材の活用に関する論文をすでに学会で報告し、現在修正中で、近いうちに公開する予定である。この論文では、日本企業の経営戦略を実現するためには、企業内の異質性を持つ人材が必要となり、外国人人材はその役割を果たすことが可能になる。そのために、外国人人材の管理者登用を積極的に行う必要があるが、現在の日本企業の職能資格制度は、外国人人材が日本企業での働く意識を阻害しているのではないかという結論が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
遅れている理由は以下の3つである。 (1)予定していたアンケート調査の実施ができなかった。 (2)入手したアンケート調査のデータ分析にかなりの時間がかかった。 (3)聞き取り調査の企業の許諾が予定通り得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策について、 (1)入手したアンケート調査の結果分析を完了し、論文のドラフトも完成するところであるため、今後修正して年内に投稿する予定である。 (2)企業への聞き取り調査の結果をまとめ、論文を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
まず、これまでの調査研究で収集したデータと事例を分析し、論文を完成させる。そのために、分析用のパソコンを購入し、また統計ソフトをアップグレードする。 そして、新型コロナウイルスの影響で、予定していた企業への聞き取り調査の実施が困難になったため、企業向けのアンケート調査を実施することに切り換え、研究計画に設定した仮説の検証を行い、当初の研究目的を達成する。そのため、残った資金をアンケート調査の実施に使用する予定である。 また、論文を投稿するための英文校閲のためにも費用が必要である。
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