研究課題
本研究の目的は、日本企業を対象に、ガバナンス体制の役割と機能と課題について、経営戦略論と組織論の観点から検証することにある。研究調査の分析単位は、企業の役員会の中でも外部取締役に焦点を当て、彼らの役員会実務と意思決定過程と状況を分析し、企業成長戦略に与える影響を明らかにする。今年度は、60名の東証上場企業の社外役員のインタビュー調査を実施し、その役割認識について質的研究調査法に基いて分析し、世界戦略学会(Strategic Management Society 36th Annual Conference)において報告を行った。また日経ビジネス等の媒体を通して実務家向けにレポートを行い、経営者や弁護士等実務専門家との討議の場を持った。社外取締役がどのような役割アイデンティティの認識とその文脈をもっているのかが、鍵となることがわかってきている。
2: おおむね順調に進展している
社外取締役のインタビュー調査のアクセスには大変時間とエネルギーを要したが、概ね一次調査は順調に推移している。現在は、収集した質的情報を企業情報アーカイブに基いて、データベースとして構築し、定性的分析ソフトウェアを使った分析を進め、理論構築を志向している。この理論構築の面でも、学会発表と学術査読論文の発表など順調に進行している。
コーポレート・ガバナンス制度の改革直後の時期における、日本企業の社外取締役の貴重なインタビュー調査のデータについて、本年度は、追加的なフォローアップ調査を進めると同時に、本格的なグランデッドセオリーアプローチに基づく理論化を進める予定である。論文は、国際学会で発表する予定である。同時に、補完的な意味で、当該対象の日本の東証上場企業の社外取締役の任用についてのアーカイブデータに基づく定量的な分析も進め、これについても国際学会で発表を予定している。
データ収集と分析のタイムラグの関係で、生じてしまった。
次年度の遅滞分について、今年度、キャッチアップする予定である。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 8件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (2件)
日本ベンチャー学会(ベンチャーレビュー)
巻: 27 ページ: 15-29
経営研究
巻: 67(2) ページ: 19-34
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/110100477/?rt=nocnt
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/030700604/