2018年度の内容は、これまで作成してきた分析データのうち2002年から2013年までのサンプルを用いて、買収目的、取引関係、株式買い付け方針についての諸変数と買収プレミアムの関係を、差の検定および回帰分析を用いて分析した。 主な分析結果として、まずストラテジックTOBについては、相対的に低い目標所有比率と相対的に高い事前取得比率の場合買収プレミアムは小さくなり、相対的に低い事前交渉比率の場合買収プレミアムは大きくなることが明らかとなった。 フィナンシャルTOBについては、買収プレミアムはストラテジックTOBおよびMBOより小さいこと、目標所有比率はMBOより小さいこと、事前取得比率および事前交渉比率が4つのTOBタイプの中で最も低いこと、下限設定率はストラテジックTOBより多い一方MBOより少ないこと、上限設定率はMBOより多いこと、取引関係比率はストラテジックTOBより少ないこと、が明らかとなった。 MBOについては、買収プレイアムと目標所有比率は4つのTOBタイプの中で最大であること、事前取得比率はフィナンシャルTOBより大きいこと、事前交渉比率はストラテジックTOBより大きいこと、下限設定率は4つのタイプの中で最も多い一方上限設定率は最も少ないこと、取引関係比率は4つのタイプの中で最も少ないこと、が明らかとなった。
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