• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

アウトバウンド型オープン・イノベーション活動とイノベーション成果の関係に係る研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K03882
研究機関学習院大学

研究代表者

米山 茂美  学習院大学, 経済学部, 教授 (30258496)

研究分担者 山内 勇  明治学院大学, 経済学部, 講師 (40548286)
枝村 一磨  文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 研究員 (20599930) [辞退]
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードオープン・イノベーション / アウトバウンド / 開放特許 / 情報開示行動 / 成約件数
研究実績の概要

2018年度には、独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)の「開放特許データベース(DB)」への登録企業・機関等(企業740社、大学・公的研究所219機関)を対象とした質問票調査を実施した。企業からは104社(回収率14.1%)、大学・公的試験研究所からは95機関(回収率43.4%)からの回答を得た。
調査結果から、保有特許のうち開放可能な特許の割合は、企業では「0~5%」が多いが(35.1%)、大学では「75%以上」が多い(30.4%)。当然ではあるが、大学は企業に比べて開放可能な特許の割合が高いことが確認された。
また、企業が開放特許DBに登録している特許の特徴としては、「事業領域と関係ない特許」(59.4%)、「思うような成果が得られなかった特許」(35.6%)が多く、その中で「ライセンスや譲渡等の可能性が高い特許」(31.7%)が登録されていることが判明した。
調査からの最も重要な発見の一つは、開放特許DBへの登録の目的は、企業及び大学・公的研究所ともに「ライセンスや譲渡等による収益化」が圧倒的に多いが(それぞれ68.0%、44.1%)、その一方で開放特許に関する成約件数は当初の想定に比べて極めて少ないことであった。開放特許DBを利用している企業のうち、過去5年間に1件も成約に至らなかった企業の割合は90.8%、大学の割合は81.2%であった。開放特許DBに登録しておけば、企業については約1割、大学では約2割の割合でライセンスに至る道が開かれるともいえるが、開放のための情報提供等でさらなる工夫が必要であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度に、INPIT「開放特許データベース(DB)」への登録企業及び大学・公的研究所を対象とした質問票調査を実施できたことで、当初の研究計画の主要な目的が達成できた。ただし、その調査結果の精緻な分析や、それに基づく論文の作成・発表までは手が回らなかった。

今後の研究の推進方策

開放特許DBへの登録からの成約が想定以上に少ない理由を精査するため、補助事業期間の延長を申請した。質問票調査のデータに基づいて開放特許に係る情報提供の方法等が及ぼす影響を詳細に分析するとともに、高い成果を示す企業・大学等への追加のヒアリング調査を行う予定である。そして、それらの結果を踏まえ、平成31年度(2019年度)中に定量・定性の両面から質の高い論文を作成・発表する計画である。

次年度使用額が生じた理由

2018年度(平成30年度)に実施したINPIT「開放特許データベース」への登録企業・機関等を対象とした調査が2018年12月までかかり、年度内に回収データの分析及び論文等の作成が間に合わなかった。また、回収されたデータの集計結果について一部想定外の結果が含まれていたため、追加的にヒアリング等を行う必要が生じた。これらのことから、研究期間の延長を申請し受理された。
次年度使用額は、回収データの解釈のためのヒアリング調査のほか、データ分析の準備のためのデータのエラーチェック等への謝金、作成した論文等の英語化のための翻訳費、海外での学会発表のための渡航費と学会参加費に使用する計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件)

  • [国際共同研究] National University of Singapore(シンガポール)

    • 国名
      シンガポール
    • 外国機関名
      National University of Singapore
  • [国際共同研究] Lappeenranta University of Technology(フィンランド)

    • 国名
      フィンランド
    • 外国機関名
      Lappeenranta University of Technology
  • [学会発表] Current status and issues on utilization of licensable patents in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      Shigemi Yoneyama
    • 学会等名
      Asian Network for Learning, Innovation and Co-evolution
    • 国際学会
  • [学会発表] Sharingknowledge and best practices between home and host countries2018

    • 著者名/発表者名
      Shigemi Yoneyama and Sarah Cheah
    • 学会等名
      Strategic Management Society, Special Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Does individual innovativeness suffer from individualknowledge protection?2018

    • 著者名/発表者名
      Heidi Olander, Anna-Maija Nisula and Shigemi Yoneyama
    • 学会等名
      International Society for Professional Innovation Management
    • 国際学会
  • [学会発表] Exploring the impact of 'unintended' reverse knowledgetransfer on R&D performance of parent company2018

    • 著者名/発表者名
      Shigemi Yoneyama and Sarah Cheah
    • 学会等名
      European Group fo Organization Studies
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi