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本研究は、企業の淘汰が起こるメカニズムと要因を、定量的かつ経時的な分析により明らかにすることを目的とした研究である。成長著しいインターネットビジネスにおける一連の研究においては、企業パフォーマンス（口座数、入出庫、生存）に影響する要因として、戦略的な側面からの説明は行われてきたものの、一方で、説明しきれていない企業特殊の要因が何かという点が課題として残っていた。そこで、本研究では、日本を代表するインターネットビジネスであるオンライン証券業界を対象として、トップマネジメント、またそれに起因して実施された戦略といった企業特殊の要因が、いかに企業パフォーマンスに影響したかというメカニズムの分析を行った。
企業の生存に対していかに経営者のパワー（CEO power）が働いているかという点について日本のオンライン証券業界を対象として分析を行ったところ、撤退という意思決定をしたり、重大な戦略的意思決定を下したりするためには、経営者のパワーが強い方が望ましいことが定量的、定性的な研究によって明らかとなった。
本研究の成果は、経営戦略論やイノベーション論の分野へ貢献すると同時に、オンラインビジネスを手がける企業の戦略構築や日本のオンラインビジネス全体の発展に寄与することが期待される。また、当該研究を含む一連の研究の集大成として出版した『インターネットビジネスの競争戦略』（有斐閣）は、2018年度日本経営学会賞（著書部門）を受賞した。
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