本研究の目的は,ミドル期以降の知識労働者の多様なキャリア発達プロセスを明らかにすることである。特にミドル期のキャリアの転機と,若年期からの経験や学習の蓄積に注目し,それがその後の変化にどうつながるのかを分析した。 分析の結果,若い頃に挑戦的な仕事を経験し,自ら学ぶ姿勢や高度な専門知識を得た知識労働者は,ミドル期以降も強い成長欲求を持ち続け,その結果として転職や独立をする者も多いことがわかった。一方,若い頃に受動的な学習をしていた知識労働者は,ミドル期以降に専門性の不足に起因する転機に直面しがちである。彼(彼女)らは市場で求められる知識やスキルを再学習するか,働く目標を下方修正する必要がある。
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