| 研究課題/領域番号 |
16K03929
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| 研究機関 | 新潟大学 |
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研究代表者 |
伊藤 龍史 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60445872)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | オフショアリング / コールサービスセンター |
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| 研究実績の概要 |
平成28年度には、オフショア化されたコールサービスセンターに対する日本人顧客の心情に関する実態を把握するために、まず日本のコールサービスセンター業者の現況を把握するためにトレードショーへ訪問するとともに、とりわけCCW社および日本トータルテレマーケティング社にてインタビュー調査を行った。後者に関しては、沖縄にて国内オフショアリングともよばれるサービス提供を行っていたため、沖縄のセンターへも訪問して実地調査を行った。また、日本人顧客のうち、オフショアリングされたコールセンターサービスを受けた経験のある人を探して心情を探るために、広くサーベイ調査も行った。
平成28年度の研究結果の中でも特徴的だったのは、日本人顧客の場合には、距離に対する注意（手加減）をもってオフショアのコールサービスセンターの応対者の非顧客志向を吸収しながらも、コミュニケーションにおいて微妙な意味合いの伝達まで求めていたり、専門性の高さを期待している様子がみられた。これらを総合すると、日本人顧客はオフショアの応対者を含む応対者一般に対して、自身と同じ「日本人らしさ」を期待しているのかもしれない。そうすると日本人顧客は、電話越しに直面した応対者のサービスに対する評価を、この「日本人らしさ」の基準（自分たち一般と相手がどれほど似ているか）を参照しながら行っている可能性がある
上記の研究結果は、「新潟大学経済論集」および「Journal of Business and Behavioral Sciences」で発表した。当初、2017年2月に開催予定のASBBS学会にて研究発表を行う予定であったが、学会の開催自体の予定が変更されたため、2017年9月のASBBS学会にて発表を行う予定である。現在は、そこで発表するためのフルペーパーの作成を進めている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定どおりに研究が進んでいる。一方で、下記の2つが当初の予定から外れて生じているため「（2）おおむね順調に進展している」を選択した。
1つは、当初発表予定にしていたASBBS学会が翌年度に持ち越されたため、発表に対するフィードバックがまだ得られていないということである。これについては、2017年9月の同学会で発表することによって取り戻す。もう1つは、サーベイやインタビュー調査を行ったところ、日本人顧客および日本企業の実態として、それほど多くがコールサービスセンターのオフショアリングが進展していない様子が伺えたことである。しかし、沖縄への国内オフショアリングに関しては進んでおり、また国外へのオフショアリングにおける企業側・顧客側の環境と類似点が多いため、今後もし尺度開発に十分なデータが獲得しにくい場合には、沖縄への国内オフショアリングからのデータも活用しながら研究を進めていくことで対処したい。
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| 今後の研究の推進方策 |
「進捗状況」でも指摘したように、初年度においてサーベイやインタビュー調査を行ったところ、日本人顧客および日本企業は、欧米書企業ほどはコールサービスセンターのオフショアリング現象が進展していないことがわかった。その一方で、沖縄への国内オフショアリングに関しては進んでいる上、国外へのオフショアリングにおける企業側・顧客側の環境とも類似点が見出される。そのため、今後は沖縄への国内オフショアリングからのデータも活用しながら、尺度開発を進めていきたい。また、本研究テーマに関しての研究が進んでいる米国の研究者からの意見も受けながら、今後の研究を進めていきたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度末に、国際ジャーナルへ投稿するための英文校正を専門業社に依頼し、校正自体は当該年度中に終了したものの、それに対する支払いが翌年度の4月になっているため、次年度使用額が生じている。
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| 次年度使用額の使用計画 |
上記の理由により、平成29年度4月に使用されることとなっている。
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