研究課題/領域番号 |
16K03942
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
庄司 真人 高千穂大学, 商学部, 教授 (50317658)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | サービス・エコシステム / 価値共創 / サービス交換 |
研究実績の概要 |
本年度は、地域におけるサービス・エコシステムについてデザイン的手法に基づいた概念的研究を行った。サービス・エコシステムの視点は研究が始まったばかりであり、先行研究がほとんどない。そのため、既存研究を整理し、サービス・エコシステムの基盤となるサービス・ドミナント・ロジックの諸概念や関連領域の諸概念について検討を行った。 サービス・ドミナント・ロジックの視点からはサービス交換の視点について注目を行った。個々でのサービスは無形財もしくは取引の対象としてのサービスではなく、必要性に応じて相手に提供されるナレッジやスキルと定義される。従来のマーケティングでは、取引の対象としての有形財や無形財の交換に注目することになるが、取引の場面だけでは十分に説明が出来ず、結果として交換が発生したことだけが解明されることになる。一方、サービス交換の視点からは、取引に関わらず、対象となる企業や組織、顧客、その他の利害関係者とのインタラクションを分析する視点を提供することが出来る。サービス交換の様相を理解することがエコシステムの動態を確認する上でも必要になる。 関連領域としては、顧客エンゲージメントとコンステレーションの視点からの分析枠組みの妥当性について考察した。顧客エンゲージメントの研究に注目し、サービス交換を発生させるための消費者からの働き掛けについて検討を行い、サービス・エコシステムにおける妥当性について考察した。 また、エコシステムのデザインアプローチとしては、十分に確立していない。そこで、本年度は、地域デザインの分野で用いられているコンステレーションに注目し、デザイン手法のエコシステム研究への転換について議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査のための枠組みが十分に確定することが出来なかったので、アンケート調査の実施が遅れている。先行研究とこれまでに行った研究を精査し、初年痔に予定していた内容を次年度に実施することを予定している。
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今後の研究の推進方策 |
サービス・エコシステムの研究枠組みの妥当性に関する調査を実施する。地域における多様性を求めることで、多様なアクターの存在とそれを基盤とするエコシステム内でのサービス交換の状態を分析するものである。特にマクロ、メゾ、ミクロの3つのレベルからのアプローチの確立を目指すものとなる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備調査のためのフレームワークの確定が2ヶ月遅れ、年度末となったので、実施を見送ったため。
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次年度使用額の使用計画 |
29年度の前期に予備調査を実施する際に使用することを計画している。
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