研究課題/領域番号 |
16K03948
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
嶋 正 日本大学, 商学部, 教授 (30187421)
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研究分担者 |
高井 透 日本大学, 商学部, 教授 (60255247)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ボーングローバル / 組織 / マーケティング / イノベーション / アライアンス / グローバル / 市場参入 / 組織能力 |
研究実績の概要 |
本研究は、グローバルベンチャーの戦略行動分析を通じてグローバル戦略のニューパラダイムを目指すものである。ベンチャー企業に関する研究は、事業の立ち上げ方法と、それに伴うリーダーシップの研究が圧倒的に多く、ベンチャー企業の戦略特性を、グローバルな視点から分析を試みたものはあまり多くはない。そのため、本研究ではグローバルベンチャーの戦略行動を多角的な視点に立って研究を進める。具体的には、日本のグローバルベンチャーの創業者の特性、参入方法、マーケティング、組織能力構築プロセスなどを事例とアンケート調査を通じて解明していくことを目的としている。昨年は、昨年度まで継続して進めてきた事例研究をベースに調査の分析枠組みを構築して、大規模なアンケート調査を実施する予定であったが、昨年度のコロナ感染もあり、次年度に実施することに変更した。そのため、今年度は、今まで積み上げた事例調査からの発見を、組織、技術開発、マーケティングなどの視点から改めて整理することで、分析枠組みの精緻化を試みた。また、アンケート調査のリストをすでに1500社程度作成していたが、さらに、既存のデータベースに加え、多様な学術雑誌やビジネス雑誌、さらには新聞記事などを探索することで、調査アンケート企業のリストを拡大し、より多様な産業でのボーングローバル企業の戦略行動を取り込めるようにした。海外参入の時期を基準にして、技術戦略、組織マネジメント、市場戦略、外部資源活用戦略などの特徴を明らかにするために、アンケート項目はすでに完成しており、後は、アンケート調査を実施する段階になっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定よりもアンケート調査の実施が遅れている。昨年から続いているコロナ感染の影響もあり、実施予定の事例調査が延期になるケースが多くあったためである。そのため、アンケート調査する上での項目の完成にも時間を要することになった。ただその一方で、アンケートの分析枠組みの精緻化や調査の企業リストを拡大することが可能であっため、より充実したアンケート調査の実施が可能となっている。また、2月および3月にも、延期になっていた事例企業のインタビュー調査も実施することが可能となり、昨年度の遅れを確実に、今年度は取り戻すことが可能になると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の大規模なアンケート調査を実施する予定である。現在の企業リストは3000社、近くになっている。しかも、当初、予定していた以上に、多様な産業からの企業を調査リストに加えることができた。本年度は前半に大規模アンケート調査を実施し、回答を頂いた企業の中から、よりユニークな企業を選別することで、インタビュー調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染もあり、昨年調査を予定していた地方企業からの調査延期の要請もあり、今年度に調査がずれ込んだ。そのため、アンケート調査の分析枠組を精緻化するうえでの時間が必要となった。また、コロナ感染の影響で、予定していたアンケート調査の規模では、統計的検証に耐えうるだけのアンケート調査の回収ができない可能性もあるという判断に至った。そのため、昨年の夏からアンケート調査の数を拡大するため、さらに、多様なデータベースから新しい企業をピックアップして調査リストに加えるという作業を開始したことも、調査の延期理由である。
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