研究課題/領域番号 |
16K03949
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
竹内 淑恵 法政大学, 経営学部, 教授 (40366828)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | コミュニケーション効果 / リレーションシップ / ソーシャル・メディア / Facebookページへの評価 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、企業が提供するブランド・コミュニティのいかなるコンテンツに対して、どのような顧客がロイヤルティを高めるのか、どのようなコミュニケーションを行うことによって、コミットメントが高まり、長期的なリレーションシップが形成されるのかを解明することである。そこで研究2年目の本年度は、主に製品カテゴリーの違いに着目して検討した。調査を実施し、回答者が第一想起したFacebookページの評価を測定した(20代~50代男女各309名計2,472名のデータを回収)。第一想起のカテゴリーを分類した結果、9カテゴリー(情報・通信330、食品・飲料324、交通・レジャー305、流通・小売業299、自動車・関連品211、ファッション・アクセサリー125、外食・各種サービス108、趣味・スポーツ用品103、化粧品・トイレタリー101計1,906件)で回答者100名以上となった。そこで、性別、年齢、閲覧状況と「いいね!」経験の有無をχ2検定により分析した。上位5カテゴリーに関して以下の知見が得られ、現在、上位のカテゴリーに絞り、コミュニケーション効果について精査している。 ・男女には有意差がある。男性の場合、交通・レジャー、自動車・関連品を、女性の場合、情報・通信、小売・流通業を挙げた人が多い。食品・飲料では有意差はない。 ・年齢にも有意差がある。20代では情報・通信が多く、食品・飲料、自動車・関連品は少ない。30代では情報・通信と流通・小売業が多く、食品・飲料は少ない。40代と50代では、食品・飲料は多く、情報通信が少ない。50代では自動車・関連品が多い。 ・情報・通信、交通・レジャーでは閲覧高頻度の人が多い。食品では高頻度は少なく、低頻度が多い。 ・いいね!経験有無については食品・飲料で無が少なく、コメント経験有が多い。情報・通信、流通・小売業で無が多い。交通・レジャーは無が少なく、有が多い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第一想起のカテゴリーを1件ずつ分類するという作業のために相当な時間を費やすことになったが、実に様々なFacebookページが閲覧されているという実態も明らかになった。現在までの分析結果は研究実績の概要で述べた通りであるが、さらなる検討に向け、カテゴリーごとのコミュニケーション効果についても詳細な分析を行っているところである。研究2年目として、一定の知見が得られたとともに、次年度に向けて課題も明らかになった。したがって、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
カテゴリーの分類作業によって、各Facebookページの現状について定性的ではあるが、把握することができた。コミットメントが高く、活発なコミュニケーションのやり取りがあるFacebookページとそうでないページがある。また、年齢・性別といったデモグラフィックや閲覧頻度、いいね!経験の有無等もFacebookページにより異なる。そこで今後は、積極的なかかわりといったポジティブな効果のみならず、情報に対する飽きやいらつき(ウェアアウト)といったネガティブな効果をも含め、長期的なリレーションシップについて検討したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度からの繰越分(4,661円)については、統計分析関連の書籍等の購入に充当した(4月19日現在)。2018年度の助成金については当初の予定通り使用する計画である。
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