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2016 年度 実施状況報告書

日本における書籍再販制度と返品制度の理論研究と書籍電子化の影響

研究課題

研究課題/領域番号 16K03963
研究機関関西大学

研究代表者

岩本 明憲  関西大学, 商学部, 准教授 (10527112)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード再販売価格維持行為 / プライシング理論 / 動学的・静学的プライシングモデル / 製品開発プロセス / NewAIDA理論 / デジタル広告
研究実績の概要

昨年度は、主に二つの方向性で研究を進めた。
第一に、本研究テーマの理論的バックボーンを形成する目的でプライシングモデル全般に関する日判定再検討を行った。その成果は、岩本明憲、「プライシングの分類枠組みに関する批判的考察」(単著)、『關西大學商學論集』、第61巻、第1号、2016年6月、pp.1-23にまとめられ、2016年12月10日に近畿大学で開催された第58回マーケティング史研究会秋季例会での発表を通じてさらに洗練化された。この研究は、再販売価格維持理論においてしばしば批判的材料として議論される小売段階での価格調整の経済的合理性を検討するうえで重要な知見を与えるものであった。
第二に、インターネット時代におけるメディア広告戦略、コンテンツマーケティングの新たな理論的枠組みを構築するための理論研究を行った。その成果の一部は、2016年10月16日に早稲田大学で開催された日本マーケティング学会、マーケティングカンファレンス「マーケティングは科学か感性か?」(マーケティングと新市場創造研究会)において「オムニチャネル時代のNew AIDAモデル」(単著)として、そして2016年10月21日に北京大学で開催された 2016 International Conference of Asian Marketing Associations in Beijing Universityにおいて"New AIDA Model in the Ara of Omni Channel"として報告された。この研究内容は現在も継続して追跡中であり、電子書籍を含むデジタルコンテンツのプロモーション戦略の理論的枠組みの構築により、再販売価格維持行為とオンライン広告との関係を明らかにする途上である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究課題は概ね順調に進展しているが、現在取り組んでいるプロモーション理論の構築に際して必要な資料が国内に所蔵がなく、米国に集中しているため、資料収集が想定外に進まなかったことが懸念材料として挙げられる。
国内であらゆる手段を通じて取得できなかった資料については、今年度中に米国出張を行うことで、まとめて取得する予定であり、現在の問題は解決すると考えている。
その他の研究スケジュールは概ね順調である。今年の秋には、我が国における再販売価格維持行為に関する数理モデルの再検討に関する学説研究を行う予定であり、そのための準備も順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本研究課題の今後の推進方策については、基本的には研究計画書通りに行うつもりである。具体的には、再販売価格維持行為・制度に関する近年の理論研究を探求したうえで、返品制度の学説研究及び理論研究へと進んでいく予定である。
また初年度および翌年度(今年度)において行った研究成果、具体的には、「定価」が定められる静学的メカニズム及び動学的プロセスとしてのプライシング理論の研究及び、コンテンツのデジタル化に伴って大変動しているプロモーション活動およびその理論に関する研究成果を再販売価格維持制度及び行為の理論に知的接合する理論構築の試みを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

資料収集の目途が立たず年度末にイギリスに出張する必要性・可能性が生じたために2017年度の研究費の前倒し申請を行ったものの、各図書館への働きかけを続けたところ、その出張を行わずに済んだ。しかしながら、研究室で7年間使用していたメインのパソコンが2017年1月に故障の兆しを見せ始めたために、研究室での研究設備を更新する必要が生じ、これを購入した。海外からの資料の送付代が図書館ごとに大きく異なるだけでなく、年度またぎの請求の可能性もあったために、予算の精確な計算が困難であり、結果として全額使用することが出来ず、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

資料収集の目途が付き、研究室内の研究設備も更新され、海外出張も一度で済む予定なので、試用計画は当初の計画通りに実施・執行できる予定である。単に、2017年度に使用予定だった資金が2017年1月ごろに使用する必要性が生じたために変更したに過ぎず、使用計画全体の変更ではない。
具体的には、引き続いての海外からの資料の取り寄せ、日常の研究活動に必要な備品や研究資料の購入、国内大学図書館への資料収集のための出張、可能であれば海外(米国)への資料収集のための出張も計画している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] プライシングの分類枠組みに関する批判的考察2016

    • 著者名/発表者名
      岩本明憲
    • 雑誌名

      関西大学商学論集

      巻: 61 ページ: 1-23

    • オープンアクセス
  • [学会発表] プライシングの分類枠組みに関する批判的考察2016

    • 著者名/発表者名
      岩本明憲
    • 学会等名
      マーケティング史研究会
    • 発表場所
      近畿大学(大阪府)
    • 年月日
      2016-12-10
  • [学会発表] New AIDA Model in the Ara ofOmni Channel2016

    • 著者名/発表者名
      Akinori IWAMOTO, Tomoko KAWAKAMI & Satoko SUZUKI
    • 学会等名
      2016 International Conference of Asian Marketing Associations
    • 発表場所
      北京大学(中華人民共和国)
    • 年月日
      2016-10-20 – 2016-10-21
    • 国際学会
  • [学会発表] オムニチャネル時代のNew AIDAモデル2016

    • 著者名/発表者名
      岩本明憲
    • 学会等名
      日本マーケティング学会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2016-10-16
  • [学会発表] Marketing in Steady-State Economy: Exploratory Case Study on Pioneering Firms2016

    • 著者名/発表者名
      Satoko SUZUKI, Akinori IWAMOTO & Tomoko KAWAKAMI,
    • 学会等名
      2016 GlobalMarketing Conferenceat Hong Kong,
    • 発表場所
      香港(中華人民共和国)
    • 年月日
      2016-06-23
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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