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2018 年度 実績報告書

日本における書籍再販制度と返品制度の理論研究と書籍電子化の影響

研究課題

研究課題/領域番号 16K03963
研究機関関西大学

研究代表者

岩本 明憲  関西大学, 商学部, 准教授 (10527112)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード再販売価格維持行為 / プライシング理論 / 価格変更 / プライシング・プロセス / 3C分析 / 垂直的外部性 / 水平的外部性
研究実績の概要

本研究の研究実績に関しては主に以下の三点に要約できる。第一に、再販売価格維持行為の前提となるプライシング理論に関して、既存の支配的理論の問題点を明らかにしたうえで、それを改善する新たなモデルを提示した点にある。この「問題点」とは主に二点、すなわち第一にプライシングの分類、及び第二にプライシング・プロセスである。これらは、これまで再販売維持行為との関連が指摘されることはなかったが、理論的には、どのようなプロセスを経由して価格付けされたものかは再販売価格維持行為の前提条件を変え得る要素である。本研究では、こうした議論の理論的前提を整備・提供する役割を果たしている。
第二に、プライシング(理論)に付随する価格変更の理論的枠組みの構築を行った。これは、本来は再販売価格維持行為と対をなす(なぜならば、価格を維持しないことは、すなわち価格を変更することと同義であるからである)概念であるが、これまで、価格維持との関連は元より、それ自体の研究及び理論化・定式化が十分でないトピックであった。このテーマに関して本研究は「包括的価格変更理論」を提案・定式化することによって価格変更の様々なタイプと企業に価格変更の前提条件の整理を行った。
第三に、引き続き再販売価格維持行為自体の学説研究を進めることで、現在の理論の基礎を成している基本原理(垂直的外部性及び水平的外部性)の妥当性を吟味し、現今の再販売価格維持行為理論が必ずしも現象として未だ見られる価格維持行為に十分に対応していないことを確認した。こうした理論的停滞を脱却するには、先に述べたように、そもそも維持されるべき価格がどのようなプロセスで決定され、なおかつ価格変更を免れたのか、という理論的洞察が不可欠である。これらの視座はこれまでのプライシング研究で全く言及されてこなかったものであり、本研究を通じて、その新たなスタートラインが明確に構築された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 日本における再販売価格維持行為の数理モデル研究の再検討―「古典的仮説」群の生成プロセス2018

    • 著者名/発表者名
      岩本明憲
    • 雑誌名

      関大商学論集

      巻: 63 ページ: 19-35

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 包括的価格変更戦略モデルの構築2018

    • 著者名/発表者名
      岩本明憲
    • 雑誌名

      日本マーケティング学会アニュアル・カンファレンス・プロシーディングングス

      巻: 6 ページ: 317-329

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Communication Portfolio Management: Its Foundations and Applicability2018

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto, A.
    • 学会等名
      International Conference of Asian Marketing Associations
    • 国際学会
  • [学会発表] Marketing in Steady-State Economy: Conceptual Model and Propositions2018

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto, A., S. Suzuki and T. Kawakami
    • 学会等名
      Global Marketing Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] 包括的価格変更戦略モデルの構築2018

    • 著者名/発表者名
      岩本明憲
    • 学会等名
      日本マーケティング学会

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公開日: 2019-12-27  

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