研究課題/領域番号 |
16K03966
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
平山 弘 阪南大学, 流通学部, 教授 (00368383)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ブランド価値創造 / ローカルニッチ / オープン・イノベーション / プラットフォーム / エコロジカルニッチ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ローカルニッチ産業におけるオープン・イノベーションの有効性が期待される付加価値創造型プラットフォームの理論的枠組みを,ブランド化貢献要因およびブランド価値創造の観点からアプローチすることである。初年度の平成28年度研究は、ローカルニッチに関わる文献・資料研究を通して,理論的検討・分析を行うことで,競争上の優位の源泉を特定化し、ニッチ産業の類型化に取組み、理論モデル構築のための基盤とした。並行して,国内の現地での中小企業へのインタビュー調査から見出される定性的研究を通じての知見や発見事項を整理しながら,概略的な理論モデルの構築へ向けた検討をおこなった。理論面からの関連研究の整理としては、小林敏男氏(2014)が『事業創成』で提唱したガワー&クスマノ流のプラットフォーム・リーダーシップにサプライチェーン・マネジメントの観点を導入した「エコロジカルニッチ」の意義とその戦略的枠組みを再検討した。実証的・定性的研究としては12月10日~13日にかけて岩手県一関市を訪ね、その間5社のトップマネジメントの方々にインタビュー調査を実施し、その成果を2本の論文「岩手県一関市 菓匠松栄堂のローカルニッチ戦略-近きもの喜びて遠きもの来る-」「岩手県一関市 世嬉の一酒造によるクラフトビール市場への挑戦-いわて蔵ビールのブランド価値創造戦略-」にまとめた。学会や研究会でもこれまでの関連研究成果を踏まえた内容を10月16日開催 日本流通学会第30回全国大会(専修大学)や3月28日開催 2017年日本地理学会春季学術大会(筑波大学)等で研究報告をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既存研究の理論的検討は順調に進んでおり、実証的にも岩手県内の中小企業のインタビュー調査から明らかとなった事実をベースに、ブランド価値の観点からのプラットフォームづくりの研究を深化させている。こうした進捗状況から平成29年度研究についても、理論的および実証的な面からの橋渡し作業が十分準備できていると考える。情報発信による公表は所属研究機関webページ(平山研究室)を通して、調査・報告・巡検などの記事を積極的にアップロードしている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる平成29年においても、引き続き、文献資料による理論的検討・分析、国内・国外の事例研究としての資料収集、インタビュー調査等をおこないながら、前年度で得られた理論的モデルを精緻化するための作業に取り組むことになる。最終年度(平成30年度)においては、本研究で取り組んできた「ローカルニッチの類型化」、「ブランド化貢献要因の特定化」、および「理論的モデル」が相互に関連し、これらを統合化することで、「新たな付加価値創造型プラットフォーム」の提示を図ることを目指す。併せて学会や研究会での報告や学術論文の執筆を通して研究成果の公表についても積極的におこなっていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査研究旅費として外国旅費を計上していたが、研究代表者のケガのため、平成28年度の執行期間中に完了することができなかったため、助成金を翌年度に繰越して使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
研究代表者のケガは既に完治しており、繰越した金額は旅費として執行させていただく予定である。
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