研究課題/領域番号 |
16K03966
|
研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
平山 弘 阪南大学, 流通学部, 教授 (00368383)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | プラットフォーム化 / ブランド価値基盤 / 中小・零細企業 / オープン・イノベーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は中小・零細企業がローカルニッチ市場からナショナルニッチ市場を経て,グローバルニッチ市場へと進出するために必要なオープン・イノベーションの有効性が期待できるプラットフォームに関する理論的枠組みを,ブランド価値創造のための協働メカニズムの観点から明らかにすることにある。 2018年度の研究成果についてはまずは11月30日に阪南大学あべのハルカスキャンパスにおいて開催した「阪南大学科研費シンポジウム」(研究代表者平山弘主催、阪南大学大学院企業情報研究科・流通学部後援)があり、ここで研究代表者は基調講演者として、研究課題「中小・零細企業に必要とされるプラットフォーム化とブランド価値創造戦略の重要性」について研究報告をおこなった。内容としては、比較的狭いローカル同士のネットワーク化によって独自のプラットフォーム化が形成され、結果としての地域自体がプラットフォーム化する面としての蓄積化・集積化によるプラットフォーム基地化の可能性についてブランド価値創造の観点から、いくつかの事例研究も踏まえながら提示した。結論としては、中小・零細企業がどのようなプラットフォームづくりに勤しんでいるのかが鍵となるとともに、そのブランド価値が拠って立つところのブランド価値基盤が最も重要な位置づけになるということにある。 また、本シンポジウムではタイ・チュラロンコン大学サシン経営大学院付属日本センター藤岡資正所長、茨城大学今村一真教授、同志社大学関智宏教授を交えてパネルディスカッションを実施した。 次に、著書関係では分担執筆者として論文がある。タイトルは「現代ジーンズに求められる価値とは何か-京都デニムの伝統と革新の観点から-」であり、内容としては京都デニムのブランド価値の本質とブランド価値の伝播について明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では本年度は最終年度ということで最終的な取りまとめをおこなう予定であったが、下記の事由により、補助事業期間延長の手続きを申請し、承認されている。 研究代表者の当該研究課題以外の業務多忙により、補助事業期間を延長する。具体的には、2018年度より大阪府松原市第5次総合計画基本計画審議会会長、また兵庫県スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール(SPH)運営指導委員会委員長、大阪府商工労働部中小企業支援室の商店街課題解決プランコンテスト審査員の任に就き、その職務遂行に時間がとられ、当初の予定より研究に遅れが生じてしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度においては本研究課題の研究成果報告として、シンポジウムを開催し、国内外の中小・零細企業の経営やマーケティングに関わる研究者を招へいすることができた。そこでは、パネルディスカッションを通してさまざまな意見交換や議論をおこなうことができたこともあり、今後の研究の推進方策としては、これまでの研究成果を踏まえた上での論文作成および学会・研究会での情報発信に尽きると考えている。 研究代表者は既にいくつかの学会および研究会での報告・発表にエントリーしており、本研究課題の成果報告としての研究図書を今年度かあるいは次年度には発行に結びつけるべく対応・推進していくことになる。 なお、昨年度延長申請事由となった当該研究課題以外の業務多忙さについては今年度は解消されており、十分な研究時間の確保が期待できることから、まったく問題はないと考える。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該研究解題以外の業務多忙により、補助期間延長申請をおこなったため。 次年度使用額については主に調査研究および学会・研究会報告用として旅費を想定している。
|
備考 |
公益財団法人日本教育公務員弘済会兵庫支部では、教育の発展に資する優れた教育研究を奨励するため教育研究実践論文を募集しており、平山弘教授が「ファッションは自分自身の鏡-講義と演習を通して伝えたいこと-」で応募したところ、同財団の審査の結果、奨励賞が授与されることになった。10月31日に神戸市にある同支部で西田勝浩兵庫支部長、谷口一彦副支部長、坂東英敏参事、野路保正参事のご臨席の下、表彰式が行われた。
|