本研究では,広告接触者の心理状態を離散的隠れ状態と考え,それにより広告接触が異なるという隠れマルコフモデルを構築した.このモデルでは,広告接触からの時間が経つごとに効果が弱まる忘却効果,複数回接触することにより効果が増大する刷込み効果,逆に減少する擦切れ効果の3つの効果を取り込みモデルを構築した.このモデルを実際のWeb広告接触データに適用することで,そうぞれの効果の符号条件は仮定と一致した.今回のデータでは,Web広告接触による刷込み効果はほとんどなく,擦切れ効果が主に発揮されることがわかった.また,これらの心理的効果を考慮したアトリビューション配分を行ったところ従来とは異なる結果を得た.
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