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2018 年度 実施状況報告書

メインバンク関係が利益の質に及ぼす影響の実証分析

研究課題

研究課題/領域番号 16K03994
研究機関北九州市立大学

研究代表者

梅澤 俊浩  北九州市立大学, 経済学部, 准教授 (60350360)

研究分担者 海老原 崇  武蔵大学, 経済学部, 教授 (00367129)
成岡 浩一  専修大学, 商学部, 教授 (90308172)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードメインバンク / 裁量的発生項目 / 業績予想達成 / 保守的な会計慣行 / 配当 / 銀行
研究実績の概要

本研究は、メインバンク関係が、顧客企業の ① 裁量的発生項目、② 業績予想達成、③ 保守的な会計慣行のそれぞれに及ぼす影響を実証分析し、3つの論文を執筆することを主目的とする。さらに、これら中心的課題以外の関連研究についても、メインバンク関係が、顧客企業の ④ 配当に及ぼす影響の実証分析や、銀行自体に関する実証分析を行っている。
まず、主目的の①、②と③の研究成果の一部については、日本ディスクロージャー研究学会第17回研究大会において、「銀行業と銀行・企業間関係の会計制度と実証」として報告を行っている。①については、銀行業に対する自己査定制度の導入前後で、利益の質とメインバンクからの借入比率との関係が変化していることを見出した。②については、メインバンクからの借入比率とメインバンクの所有比率のそれぞれが業績予想の達成確率に影響を及ぼすことを見出しているが、その関係は分析期間によって異なっていた。③については、1990年代後半に、メインバンクからの借入比率がバッドニュースに対する適時開示の程度に影響を及ぼすことを見出している。
さらに、海老原は、滋賀大学の赤塚尚之氏と、銀行業の業績指標の価値関連性に関する共同研究を行い、日本ディスクロージャー研究学会第17回研究大会において学会報告を行った。そして、その研究成果については、赤塚・海老原 (2018) が『現代ディスクロージャー研究』に掲載されている。また、梅澤も、日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会連合大会において、地域銀行における部分直接償却、貸出金償却および償却債権取立益の関係について報告を行っている。

赤塚尚之・海老原崇,2018.「地方銀行単体の業績指標の価値関連性―業務純益を明示しない損益計算書の様式の妥当性に関して―」『現代ディスクロージャー研究』17,17-47.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

主目的の ① 裁量的発生項目、② 業績予想達成、③ 保守的な会計慣行のそれぞれについては、当初の予定では、平成29年6月までに論文の第一稿を完成させ、研究会や学会等で報告を行う計画であった。しかし、平成29年度のメインバンク・データベースの再構築、平成30年度の社債関連データベースの整備という2つの計画外の作業を強いられた。その結果、①については追加分析と論文の第一稿の改訂作業中であり、②と③については、追加分析と論文の第一稿の執筆中である。
これらの中心的課題以外の関連研究についても、海老原を主査として、メインバンク関係と配当との関係の実証研究を実施している。

今後の研究の推進方策

本年度は、① 裁量的発生項目、② 業績予想達成、③ 保守的な会計慣行、④ 配当のそれぞれの論文の最終稿を学会誌等に投稿することが目標となる。まず、研究の進捗状況が良い①と④の研究を先に進める。① については、論文の第二稿の完成後、研究会や学会での報告を通じて、論文の質を高めたうえで、最終稿を学会誌に投稿する。④ については、海老原を主査として、論文の第一稿の完成後、研究会や学会での報告を通じて、論文の質を高めたうえで、最終稿を学会誌に投稿する。
また、研究の進捗状況が遅れている②と③については、それぞれ梅澤と成岡を主査として、令和元年度上半期のうちに、論文の第一稿を完成させる。②については、梅澤が主導し、定期的に、海老原と打ち合わせやディスカッションを行うことで、論文の第一稿を完成させる。③については、成岡が主導し、定期的に、梅澤と打ち合わせやディスカッションを行うことで、論文の第一稿を完成させる。第一稿を完成後、令和元年度下半期に、研究のクオリティを高めるために、可能な限り、学会やセミナー等での研究報告を行って、最終稿を完成させて、学会誌に投稿する。

次年度使用額が生じた理由

本研究は、計画通り、メインバンク関係が一般事業会社の会計行動に及ぼす影響を検証するために銀行借入金(間接金融)に焦点を当て分析を行い、その分析結果を学会や研究会等での報告を行った。しかし、一般事業会社の社債発行(直接金融)による資金調達能力も考慮に入れた追加分析を行う必要があるとのコメントを頂戴した。そこで、格付等の社債関連データベースの整備を行うために、研究期間の延長を申請した。
社債関連データベースは概ね完成しているので、次年度では、このデータベースを使用した追加分析を行い、論文の第一稿あるいは第二稿を完成させる。これらの論文については、学会や研究会での報告を通じて、論文の質を高めたうえで、最終稿を学会誌に投稿する計画である。そのため、次年度使用額は主に旅費で支出し、必要に応じて謝金等で支出する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 地方銀行単体の業績指標の価値関連性―業務純益を明示しない損益計算書の様式の妥当性に関して―2018

    • 著者名/発表者名
      赤塚尚之・海老原崇
    • 雑誌名

      現代ディスクロージャー研究

      巻: 17 ページ: 17-47

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 地方銀行単体の業績指標の価値関連性2018

    • 著者名/発表者名
      海老原 崇・赤塚 尚之
    • 学会等名
      日本ディスクロージャー研究学会
  • [学会発表] 地域銀行における部分直接償却、貸出金償却および償却債権取立益の関係2018

    • 著者名/発表者名
      梅澤俊浩
    • 学会等名
      日本経営分析学会・日本ディスクロージャー研究学会
  • [学会発表] 銀行業と銀行・企業間関係の会計制度と実証2018

    • 著者名/発表者名
      梅澤俊浩
    • 学会等名
      日本ディスクロージャー研究学会
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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