四半期ごとに報告される会計上の資本と利益の時系列パターンから企業の時価総額や株価が計算できれば、稀少資源の最適配分に資する結果を示すことができる。そういう大きな目標を持ってはじまった本研究課題ではあるが、かなり精度のよい資本と利益の同額プロセスを記述するモデルは開発できたものの、それを直接、株式時価総額の予測へとつなげることはできなかった。 1つには、現実の会計基準ではクリーン・サープラス関係が成立していないため、重要な項目が漏れているせいかもしれない。また、本モデルは配当割引モデルを前提としており、企業買収のシナジー効果が織り込まれていない点が影響しているかもしれない。
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