会計的裁量行動の測定においては,異常発生項目額を推定するための新しいモデルも含めて,複数のモデルの推定パフォーマンスについて評価した結果、一貫して推定パフォーマンスがよい唯一のモデルは存在せず,研究上の利用においては複数のモデルからの推定値を利用することが望ましいことが示唆された。そして,財務諸表情報の質のスコアの作成においては,スコアの客観性を確保するために,質の内容を特定することが必要であり,本研究では財務諸表情報の複雑性が情報の非対称性の緩和という観点から,スコア作成のための重要な特性のひとつであることを開示直後の株式流動性の分析によって明らかにした。
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