| 研究課題/領域番号 |
16K04015
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| 研究機関 | 愛知学院大学 |
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研究代表者 |
向 伊知郎 愛知学院大学, 経営学部, 教授 (20308761)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | IFRS / ソーシャル・キャピタル / のれん / 価値関連性 / ビッグ・データ |
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| 研究実績の概要 |
平成29年度には、研究計画に基づいて、以下の2点に関する研究を行った。
第1は、各国および業種別の特性を組み入れた国際会計研究の方法論の開発である。ここでは、(i)平成28年度に提案したソーシャル・キャピタル概念を国際会計研究に援用することに関して、世界価値観調査(World Values Survey: WVS)のデータがソーシャル・キャピタルの測定に適切であることを、ビッグ・データ時代に求められる5Vの特性（Volume（分量）、Velocity（速度）、Variety（多様性）、Veracity（真実性）、Value（価値））、およびこれまでに用いられてきた環境要因に関するデータの抱える問題から明らかにした。また、(ii)最新かつ膨大なWVSのデータを用いて、国際会計研究に関連する主要国のソーシャル・キャピタルを、信頼、規範およびネットワークの3つのファクターから測定した。ここでは、日本をはじめとして、上場企業の規模において日本の上場企業と比較的類似しており、かつ国際財務報告基準(IFRS)の適用を強制しているフランス、ドイツ、イギリス、オーストラリアおよびカナダ、並びにIFRSの適用において最も注目を集めているアメリカに焦点を当てて測定を行った。研究成果は、学内の紀要および会計関連の一般雑誌に論文として掲載した。
第2は、財務情報の意思決定有用性に関して、IFRSの適用が財務情報の透明性を高めるか否かについて、日本とIFRSとの間の重要な相違点である「のれん償却費」に関して、実証分析を行った。研究成果は、国際会議にて報告を行い、Proceedingsに論文を掲載したことに加えて、学内の紀要にも論文として掲載した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通り、先行研究のレビュー、実証分析、論文執筆、学会報告等、いずれも順調である。
国内はもとより、今年度も海外での学会報告を行うことができ、昨年度、投稿した海外ジャーナル（査読誌）へも論文が掲載された。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、助成金を受ける最終年度であり、過去2年間の研究成果をもとに、IFRSの適用が情報利用者の意思決定に有用な情報提供を行うか否かに関して、国際比較研究を総合的に行う。
具体的には、意思決定有用性を検証するために、先行研究では明らかにされなかった各国および各業種の特性を含めた方法論のもとに、(i)発生項目の特性に関する研究（これは、利益の質に関する研究も併せて行う）、および(ii)価値関連性に関する研究を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
昨年11月に海外での学会報告を計画およびAcceptされていたが、学内業務が生じたことから出張を中止し、残額が生じた。平成30年度は、最終年度でもあることから、積極的に、これまでの研究成果を国内外にて、報告していきたい。
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